もう自分、男でいいっす2【ヒロアカ×暗殺教室】 (ページ5)

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52話メロスってどれくらい速いんだっけ？ページ5

授業が終わった直後、みんながバリア内に入った。

殺せなくとも、今まで通り楽しい時間を最後に過ごせると思った。

だがそんな簡単に物事は進まず、糸成やカエデが植え付けた、“後天的に植え付けることができる個性”の開発者である柳沢と、完全に体がその個性に乗っ取られた二代目死神が邪魔をした。

標的となっているのは私たち生徒。

侵入者からの攻撃を全て先生が庇う。

音でわかる。これは擦りでもしたら体を貫通する。

そんな攻撃を先生は全身で受けた。

無事なわけない。

ここにいる私たちは、悔しいがただの的。一度戦場を離れた方が、先生も戦いやすいだろう。

どうやってこの場を後にしよう。それしか考えていなかった。

なんで気づけなかった。自分を犠牲にする覚悟を決めた目をしたカエデに。

駆け出したカエデの体を掴み、乱暴かもしれないが、後ろに引っ張る。

そこからどうにかして横に自分の体をずらす計算だった。

殺せんせーをも超えるマッハ40。

あっという間に二代目の拳が腹に触れるか触れないかくらいまでに距離を縮めた。

その瞬間、視界がスローモーションになり、みんなの歪んだ焦った顔が鮮明に見える。

殺せんせーの本気で焦ってる顔、初めてみたなぁ。

人間って死を目前にすると冷静になるってほんとなんだ。

あぁ、これじゃカエデが自分を責めちゃうじゃん。生きて帰ったらそんなことなかったのに。

走馬灯がよぎる。

父さん。母さん。

久しぶり、今から行くよ。

ちょっと早いかな？

触手が横腹を大きく抉る。

激痛が走ったと思いきや、視界が暗転した。