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あるよく雨の降る極寒日だった
私は初めての外回りは山田さんと一緒だった
冬はどこの会社も忙しくて、勿論うちの会社も忙しかった
入社2年目の私は初めてできた後輩に質問されることに慣れなくて1年目の時よりも忙しく上にこの雨は
私の元気を奪っていった
「山田さん」
私より2.3歩先を歩く山田さんに声をかけても雨の音によって掻き消されて山田さんは気づいてくれない
クイッ
『なに…っ！』
「ちょっとドラッグストア行ってもいいですか？」
『ああ』
近場のドラッグストアに行き、
いつもの買いに行こうとすると
『何の薬飲んでんの？』
そう言われて名前を言っても難しいと思い空になった薬の箱を見せると
『ちょっと借りる、お前はあそこのカフェに入ってろ』
そうぶっきらぼうに言ってお店に入って行った
山田さんに怒られたくないと思いカフェに行き、
キャラメルラテとブラックコーヒーを頼んで座って待つことにした
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「山田さん」
小声で呼ぶと直ぐにこちらに顔を向けて歩いてきた
『ん』
「ありがとうございます」
「あ、これどうぞ」
『あー悪い、いくらだった？』
「大丈夫です！買いに行っていただいたお礼です」
『お言葉に甘えて』
「それ1,500円くらいでしたよね？」
『要らない』
「でも」
『コーヒー奢ってもらったから』
「じゃあお言葉に甘えて」
山田さんは普段とは違う山田さんだった
優しくて、普段は笑わないけど笑って、声のトーンも優しくてまるで別人
きっと素の山田さんはこっちなんだろうな
キャラメルラテが飲み終わるまで山田さんはお砂糖のように優しかった
外回りも既に終わっていたから私はこの時間が少しでも続けば良いのにって思っていつもよりも時間をかけながらラテを飲んだ
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ナコ(プロフ) - りこさん» はじめまして(^^)嬉しいコメントありがとございます！ (2021年3月18日 0時) (
レス) id: b62b29367c (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - はじめまして、ナコさんの書く短編集、サクッと読めて尚且つ内容が綺麗にまとまっているので好きです！これからも応援してます〜 (2021年3月13日 7時) (レス) id: 0f2ded4113 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナコ | 作成日時：2021年2月27日 18時
