匂わせ｜arok ページ4
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匂わせ
arok
〔大貴が彼氏だったら絶対幸せだよね〕
〈でも、理想高そうだよね〉
〔あぁ、元カノレベチだよね〕
〈それな〉
《有岡先輩かっこいい…》
［先輩との恋愛憧れるよね］
《うんうん！》
［でも、叶うわけないよね］
学校に着くと"有岡大貴"に向けられた黄色い声が飛び交う
当の本人はクラスの男女に囲まれているのがチラッと見えた
「…っ」
囲まれている中から
『お・は・よ』
彼はそう口パクで言った
私は彼から視線を逸らすことができずじっと見ていると
〈どうかした？〉
彼の周りの人たちがそう声をかけて私もハッと我に帰って隣である自分のクラスに入った
Daiki今日俺ん家来て
Aわかった!
Daiki一緒に帰ろ
Aじゃあ有岡くんの駅前の公園で待ち合わせしよ
Daiki靴箱から
Aそんなことしたらバレるからダメ
いつもなら"了解"とか来るのに今日は靴箱からって、私たちが付き合ってることはヒミツにしているから有岡くんがそんなことを言ってくることが初めてだった
このLINEのやりとりだって授業中に行っている
それは昼休みだと友達に覗き込まれてしまうかもしれないからと徹底している
「お腹すいた〜」
《あ、お茶忘れた》
「買いに行く？」
《うん》
「着いていくよ」
《ありがとう！！！》
「いーえー」
友達はいつもミルクティーを買うから迷うことはしない
〈は！！！有岡彼女居んの？〉
有岡くんの教室から聞こえてきた声
教室の人は勿論、廊下にいる私たちだって反応をしてしまった
『まあ』
《また他校かよ》
『いや、この学校』
《は？誰！！おい！誰だよ！》
ちょっと待って
何で彼女いること言ってんの？
それすらもヒミツにする約束だよね
それとも私が浮気相手で他に本命が居たりするのかな
《有岡くんって彼女居たんだね》
「あんなカッコいい人ならポンポン彼女できるでしょ」
《まぁね、だって元カノの数多そうだもんね》
「ね、遊び人ぽいよね」
《いい人なんだろうけどね》
ちょっと嫌気がさしてしまって有岡くんの悪口を言ってしまった
〈これで終わります、礼〉
ああ、どうしようこのまま待ち合わせの公園に行くのか、それとも帰るか…
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ナコ(プロフ) - りこさん» はじめまして(^^)嬉しいコメントありがとございます！ (2021年3月18日 0時) (
レス) id: b62b29367c (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - はじめまして、ナコさんの書く短編集、サクッと読めて尚且つ内容が綺麗にまとまっているので好きです！これからも応援してます〜 (2021年3月13日 7時) (レス) id: 0f2ded4113 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナコ | 作成日時：2021年2月27日 18時
