短編集 II

貴方となら｜arok （※） ページ16

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貴方となら
arok
※暴力的表現有り









"お前なんか産むんじゃなかった"





"金の無駄"









私は世で言うネ グ レ ク トと言うものにあって生きてきた
父と母は不倫関係になり出来た子で、結局父は責任取らずに母と2人暮らししているけどまともに食事を与えてもらったり綺麗な洋服を着せてもらったり世の中では普通のことが私にはない









高校は進学させてもらえずひたすら働いた
コンビニと居酒屋を掛け持ちして働き詰めた









〈今日から新人の有岡くんが入ります〉


『有岡です、初めてのバイトなので足を引っ張ることもあるかもしれませんがよろしくお願いします』


〈よろしく！〉


「…ます」









一応よろしくお願いしますと言ったけど周りの人の声によって掻き消された
この人は太陽のような笑顔で初日も関わらず私以上に仕事をこなしている









〈Aさん、今日トイレ掃除の番だよ〉


「わかりました、教えていただきありがとう御座います」


〈あ、有岡くんに教えてあげてくれない？〉


「え、あ…っと…」


〈じゃあよろしくね〉


『よろしくお願いします』


「…はい」









どう教えればいいのか分からず見ててくださいと伝えて彼は私より2、3歩後ろから見ていた









『Aさんって何歳なんですか？』


「…じゅ…ななです」


『え、高校2年生？』


「え…っと、高校行ってないので……その…でも、高校2年生の年ですね…」


『あ、そうなんだ』


「…」


『俺の方が歳上だね』


「…そうなんです…ね…」


『じゃあ、俺の方が一個歳上だけど仲良くしよーよ』


「ぁ…ぇ、…っと…」


『名前なんて言うの？』


「Aです」


『可愛い名前だね』


「…っ」









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この日を気に有岡くんは話しかけてくるようになったが、何を考えているのか全く分からなかった









『Aってこんな暑い時期でも長袖なんだな』


「え…ぁ、うん………日焼けするの嫌だから…」









「ただいま」


母「金出せ」


「え…ちょ…っと！」









それから母に手を挙げられ蹴られ無理矢理鞄から財布を出しお金を持って出て行った









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