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「これ、ありがとう」
『うん』
「じゃ、」
『………ちょっときて』
「へ、……いのおくん、？」
昼食の時間だからお腹空いたなって数分前の気持ちは忘れていて腕を握られて向かいの校舎の空き教室に入った
「伊野尾くん…………？」
『自分勝手もさ、程々にして』
「ぇ、ぁ、ごめんなさい………」
『はぁ、』
「…………伊野尾くん、」
『何？』
「流石にこれはヤマシタさんに申し訳ないよ」
『ヤマシタ？』
「彼女なんだよね、おめでとう…………」
好きな人の幸せは私の幸せみたいな言葉あるけど実際はそんな事なくておめでとうなんて1ミリも思ってないけど悪い女になりたく無くて可能性が0でも良く見られたいと思って出た言葉だった
『は？』
「ん？」
『付き合ってないわ』
「え！ええええええええぇぇぇ！！」
『うるさい』
「本当に？」
『うん』
「よかった…………」
『よかった？』
「うん！だってこれからはまた今まで通り伊野尾くんとたくさんお話しできるし教科書も借りにいけるし！」
『なにそれ笑』
「ずっと寂しかった」
『俺もだよ』
「んえ？！今なんて、…………？」
『俺もAちゃんに会えなくて寂しかったよ』
「えええぇぇぇ！！！」
『だからぁ、さっきからうるさいんだってば』
「ごめんなさい」
『これからも会いにきてくれるの楽しみにしてるよ』
伊野尾くんから好きと聞くことになるのはこの時の私はまだ知らない
END
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作者名：ナコ | 作成日時：2022年1月31日 7時
