短編集 Ⅵ (ページ17)

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嫉妬を上書きし合って、それから｜arok ページ17

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嫉妬を上書きし合って、それから
arok

「はぁ………」

私の目の前で繰り広げられる光景に溜息を溢さざるおえない

タナカ〈有岡さん、今日ご飯でも行けませんか、、？〉

『今日用事あるからごめんね』

タナカ〈じゃ、いつなら大丈夫ですか？〉

キッパリと彼女がいますって言えばいいのに！とモヤモヤする

『大切な人いるから女性と2人でご飯とか行けないんだ』

タナカ〈彼女さん、重いんですか……？〉

『いや、だけど悲しませたくないだけ』

タナカ〈そ、ですか……〉

『だからごめんね』

タナカ〈彼女さんってこの会社にいますか？〉

『どうだろうね』

そうですか…………と言い自分のディスクに戻っていくタナカさんは明らかに失恋した時の表情でやけ酒コースだね、なんて他人事だから言えることを心の中で呟いた

大貴今日家来る?

私の目の前のディスクは大貴なのに付き合ってることを公表してないからこの距離ですらスマホのやりとりになってしまう、仕方がないことだけど………
それに、私がさっきの会話に嫉妬したのを分かった上でご機嫌取りのLINEをしてくる大貴は好きだけど嫌い
手のひらで転がされてるみたいだし、子供っぽいし

Aどっちでもいいよ

行かないは嫌な奴過ぎるけど、かと言って行く！なんて可愛くもなれずこんな返信しかできない

大貴来て

100点………いや、200点満点過ぎる回答
世の男性なら女子の何気に腹立つワードランキング１位"じゃあ"を使いがちだけど来ての２文字にキュンとして前を向くとフッと鼻で笑う大貴
また私は手のひらで転がされた

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