一 ページ2
さんさん太陽の光の元、今日も私は戦う。
「たのもう!!」
金属バットを肩に担ぎ、なにやら物騒な風貌をした敵がやってきた。
「なんやねん」
こんなやつに私は屈しないぞ。
「グラウンド譲れやコラ」
はあ、と深くため息をつく石川慎吾。長いこと下を向いている。
全く先の読めないこいつにうろたえていると、睨まれた。
「な、なんや」
「今の季節言うてみい」
なんやこいつ、なめてんのか?
「夏に決まってるやろ」
「……そう、夏や。夏といえば高校野球。ってことで、俺ら大事な時期やねん。帰ってもらえますか」
出たよ、大事な時期。これ使えばいいと思ってる。石川の野郎も、高校教師も。
「悪いけど、私らかてインハイとか、もっと先のこと考えたら駅伝もあんねん。そこ退いてもらえます?」
私たち陸上競技部だって、それなりの結果を出している。今年は全国を目指しているのだ。
「ったく、物分かりの悪い女やなあ」
そう言っては、私の腕をぐっと掴んだ。
「は? な、何してんねん」
石川は、無言のまま私を引っ張る。他の陸上部員が待っている、部室の方向へと。
「この辺にしといたろか。部員にかっこ悪い姿見られとうないやろ」
「いやだから、何の話をして……」
舌打ちをする石川。威圧感は本物だ。
「お前らは廊下で筋トレでもしとけや」
そう言って、軽い足取りでバックネットへ帰っていった。
また負けた。
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にゃあ - はなつーさん» おー!おめでとうございます! (2020年3月21日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
はなつー - にゃあさん» ありがとうございます泣 無事合格してました!! (2020年3月19日 20時) (レス) id: 9942ee8606 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 作者様が第一志望に合格しますように。 (2020年3月16日 15時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 待ってますね。がんばってください! (2019年12月12日 16時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 受験生さんだったんですね!かしこまりました。再開されるまで楽しみにしています!がんばってください! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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