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名取side
うそ。宏太が。ずっと、眠っていた宏太が！
…目を、覚ましたんだ…っ
色んな先生から、植物状態になるかもとか、後遺症が残る、とか、目を覚まさない、とか言われてて。
名取「…っ。っ今、チューブ抜くね。」
口に入っていたチューブを抜くと、少し咳き込む宏太。
薮「( ＞д＜)､;'.･ ｹﾞﾎｺﾞﾎ」
名取「平気？…ちょっと待って、酸素マスクつけるから。」
薮「うん。」名取「苦しくない？」薮「へーき」
藍沢「目が覚めたか。」名取「はい。みんな、集まって」藍沢「…全員の名前、言えるか？」
薮「そーま。…知念、大ちゃん、裕翔、圭人、伊野尾、雄也、光、山田…」
名取「おーけー…」
藍沢「ここまで手を上げて。そうだ。そのままキープできるか？」薮「はい…」
藍沢「もう大丈夫だ。後遺症は残らない。」
名取「っ良かった！」思わず崩れ落ちる。
藍沢「これから、大変なことがたくさんある。多分、これからの方が大変だ。それでも、めげずにリハビリしていって欲しい。とりあえず、落ち着くまではICUにいること。…2人がHCUに行ける状態になるまで、ここに入れるように手配しておく。」
薮・山「ありがとうございます！」
山「…さて。みんな戻ってきて？」
冴島「今日は、ここにいて、と白石先生が。…閉めておきますね。」冴島さんが、ベット周りのカーテンを閉めてくれる。
薮「ごめんね。心配かけて。」名取「っほんとだよ…。どうしようかと思った。」薮「…事故は防げないもん」名取「生きてて良かった」
薮「…うん。」
名取「ごめん。」薮「え？」名取「ずっと、悩んでたって。気づけなくてごめん。…最近会えてなかったし、メールも素っ気なかったし…勝手なことして…。…誕生日、祝ってくれて、ありがと。
おめでとう。薮」薮「…？」名取「長く寝てたから、覚えてないでしょ。…今日は、宏太の誕生日だから。…来年も、再来年も祝わせてくれる？」薮「っうん」
名取「ずっと一緒にいる。」薮「どーかな…。颯馬仕事忙しいもんね」名取「大切な日は絶対休む。」薮「っふふ。…それはダメ」
照れくさそうに笑う宏太。そう。こういう笑顔が見たかったんだ。なのに、俺がそれを出来なくさせてた。何も気づかなかったから。
薮「ねえ、名取先生？…俺も、名取先生で良かったって、思ってるよ？…だから、俺だけじゃなくてもっと沢山の人を救って。その人と、俺との、約束」
藍沢先生みたいな医者になる。その日から、それが夢となった。宏太と俺の、夢。
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作者名：救命医を目指すとびっ子 | 作成日時：2018年10月28日 1時
