ペット、始めました。 (ページ7)

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ー涼太 side

朝はAが思ったより多く食べてくれたから、作りがいがあることがわかった♪

だから、今夜はAのためにカレー作ろうかなってスーパーまで買い物に来てた。

涼「カレー粉と、にんじんと…」

メモ帳を見ながら徐々にかごの中に商品を入れていく。

全て揃って、レジに行こうと思った時、一人の女が俺に話しかけてきた。

女「ねぇ、涼太？？」

涼「理沙？」

理「そぉだよ！理沙！覚えてる？」

理沙は俺の元カノ。浮気した最低女だけど、もう何年も前のことだから忘れかけてた。

涼「あぁ、覚えてるよ。じゃあね」

理「待ってよォ、今暇だからさぁ、ホテル行かなぁい？」

俺の顔の近くで話す理沙の口からはお酒の匂い。
酔ってんな、こいつ。

理「ねぇ、行こぉよぉ」

涼「はいはい、わかった」

こうなった時の理沙は面倒臭い。
だからホテルに連れてって、寝かせよ。

涼「ほら行くよ。」

レジを済ませた後、理沙を連れてホテルに向かう。

理「ねぇ、しないのぉ？」

ホテルに着いて、部屋に入ると理沙はいきなり誘ってくる。

うざいな。面倒臭い。

腕に巻き付く理沙を無理やり剥がして、部屋を出る。

A、無事に帰れたかな。
寂しくしてないかな。

そんなこと考えながらホテルを出る。

理「待ってよぉー！」

後ろから俺を追いかけてくる理沙の声。

あぁ、ほんと、うるさいな。

理 (ぎゅっ)

抱きついてくる理沙を剥がそうとすると、俺の耳元で呟いた。

理「あの女を傷つけられたくないんなら私と付き合ってるふりをして」

涼「は？意味わかんない」

理「早くして。」

理沙のポケットから出てきたのはポケットナイフ。
小さいけど、凶器にはなるようなもの。

理「これであの女傷つけてもいいの？」

涼「……」

理沙がこうやってする理由は、多分俺が理沙を振って、Aを家に招いてるから。

俺のせいでAを傷つけなくなかったから、俺はその場で理沙の彼氏の振りをした。

「…涼太？」

消えそうなくらいか細い声がした。