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涼「心臓病。8歳の頃に判明してさ」
「心臓…病…」
涼「あと1週間も生きれないかもしれない」
「…病院、行こうよっ!絶対助かるよっ!!」
涼「…A」
嫌だ、
私の名前を呼ばないで
涼「俺、Aと出会って本当に良かった。」
「…いや、」
涼「愛してるよ」
「やめてよっ!!やっと結婚出来たんだよ!?ずっと涼太とこんな関係になりたかったっ!!」
涼「…、」
「いきなり家出して、やっと見つけたと思ったら死ぬ!?意味わかんないよっ!!」
涼「…俺だってこんなことしたくなかった」
「…っ…」
涼「でも、Aを傷つけるくらいなら1人で死んだ方がマシだと思った」
「嫌…っ、いやっ…」
涼「…わかって欲しい」
わかんないよ、何にもわかんない
なんで1人になろうとするの?
なんで私に何も言わないの?
「ひとりにしないで…」
涼「Aはひとりじゃない」
「…っ」
涼「Aのことを愛してくれる人は沢山いるんだよ」
「涼太しかいらない…っ」
涼「…俺がもし死んだら、先輩のとこに行って、幸せになって欲しい。 あの人ならきっとAを幸せにしてくれるよ」
「死なせない…っ」
泣きじゃくる私を抱きしめて、耳元で呟く。
涼「…愛してる」
「涼太…っ」
涼「…世界で一番、誰よりも」
「嫌だよ…っ」
涼「…俺だって…」
涼太の、私を抱きしめる手が震えてた。
「…涼太、涼太」
涼「うん?」
「…生きよう、」
やっと落ち着いた私は、涼太の腕に包まれながら空を見上げて言った。
「…1週間しかないなら、1週間悔いのないように精一杯生きよう」
涼太が望んでるのは、私が一緒に行きたいとか言うんじゃなくて、こういう前向きな言葉が欲しかったんだと思う。
涼太だって不安なんだから。
私が最後まで支えてあげなきゃいけない。
「二人で、いっぱい思い出作って、それで、お互い幸せになろう」
涼「…うん」
月を見上げる涼太の目から、1粒の雫が零れた。
涼太の、この涙を無駄にはしない
今日を、明日を精一杯生きよう
涼太、
あなたに恋をして、辛いことも経験したけど
貴方と出会えて本当に良かった。
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作者名:h_y | 作者ホームページ:http://katayose.0829
作成日時:2018年4月14日 23時