ペット、始めました。 (ページ4)

今日:8 hit、昨日:3 hit、合計:91,868 hit

4 ページ4

涼「はい、まずご飯食べて」

「…ありがとう」

ペットになると決めたものの、正直どうすればいいのか分からない。

恋人でもないし、お互い何も知らない赤の他人なんだから。

名前しかしらないこの人のペットとして、これからどうすればいいんだろう。

…なんてことは今は置いといて、目の前にある美味しそうな朝食を食べたいと思い始めた。

卵焼きにサラダ、お味噌汁。
まさに理想の朝食といえる品々。

涼「どう？美味しい？」

「…すっごく美味しい……」

1口入れた瞬間、卵焼きのふんわり感と、中から出てくる卵焼きの出汁の味が絶妙にあっていて、まるでレストランに出てきそうな美味しさだった。

涼「ふふ、よかった笑」

「えっと…片寄…さん？はなんですか？」

涼「涼太でいいよ。あと敬語なし。で？なんですかってなに？」

「じゃあ、涼太。 …えっと、仕事とか、好きな食べ物とか、どんな人とか…」

涼「あ、お互いのこと知らなきゃいけないね」

私の言葉選びが悪いから、一瞬「は？」って顔してたけど、何とか私の言いたいことは分かったみたい。

ペットになると決めたなら、ある程度相手のことも知っておきたい。

…てか、ペットってなに？

涼「俺は片寄涼太23歳、身長180cm、趣味はピアノかなぁ、得意なことは歌うこと。仕事は内緒」

「へぇ…って、仕事が1番気になるんだけど」

涼「ペットちゃんは知らなくていいの～笑」

「…はぁ。」

とにかく、仕事以外のことはだいたい分かった。

性格とかはこれから知っていこう。

涼「で？Aは？」

「私？」

涼「趣味、身長、特技、好きなこと、仕事、全部教えてね」

自分は言わなかったくせに、私のことはどんどん聞いてくる。

「趣味はお酒飲むこと、身長は160、特技は…んー、人のこと癒す？とか仕事は見ての通り会社員」

涼「あ、じゃあAにペットとしてひとつ頼みたいことがあるんだけどさ」

「うん？」

涼「俺、疲れてんだよね。癒してくれない？特技の人を癒すことで」

「え、いや、あの…｣

『人を癒す』これは昔お婆ちゃんに教えられた特技みたいなもの。

疲れてる人のために悩み聞いてあげたり、とにかくその人のためになることをする。

これが昔教えられた特技。

「いいよ、こっち来て」

呼ばれた子犬は私の太ももに手を置いて、そっと上目遣いで私を見つめた