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地味で目立たない水島のスキャンダルに寮は一時期沸き返ったが、本人が懲戒免職を受けているうえ、地味で目立たない分だけ出てくる話題も乏しく、すぐに沈静化した。
代わりに手塚とNameが付き合い始めたというトピックが主に男子寮で独身隊員を嘆かせた。
ついに図書隊の華が1人の手に落ちたか、と大変な惜しまれようである。
女子寮ではほとんどの隊員が手塚の本命はNameだろうとよんでいたこともあって、ようやくのことでまとまったかという意見が大勢を占める。
手塚に憧れていた年下の隊員などはキャーキャー騒いでいたが、
Name「光の人気も所詮ミーハー的なものがめいんだったしねー」
昼食を食べに同期4人ぇ出たカフェでしれっとそう言い放ったNameに、手塚がため息をついたり
手塚「あのな…仮にも好きで付き合ってる男に所詮とか言うな、所詮とか」
Name「所詮じゃないと困るもん、あたしが」
手塚がランチのフォークを止めて俯いた。その耳が赤い。
手塚「…お前、その緩急混ぜて投げてくるの反則」
Name「緩急まぜて?」
柴崎「この子茨城県産純情培養乙女と同じぐらいのど天然なんだから分かってないわよ」
郁「茨城県産純情培養乙女って誰のことよ!」
柴崎「笠原以外にどこにいるのよ。それより2人ともミーハー的に騒がれること多いし、その中にまた困った奴が混じってたら最悪だしさっさと結婚した方がいいわよ」
さらっと言った柴崎に、Nameは顔を真っ赤にしてうつむき、手塚はどぎまぎとしたように頷いた。
Name「けっ、結婚…//」
手塚「あ、ああ…」
柴崎「でも結婚式に、実の兄が来てないってちょっと問題あるじゃない?」
手塚があからさまにギクリと肩を強張らせる。
柴崎「だからNameのためにお兄さんとも早めに和解しときなさいよ。
仲良しこよしになれとは言わないけど、笑顔で社交辞令くらいは交わせる程度にさ。
親族写真で新郎が仏頂面なんてNameがかわいそうだしぃ」
くっ、と手塚は苦悩の呻きを漏らした。
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misteriascat(プロフ) - 完結おめでとうございます!ぜひその後の結婚生活等の日常を短編形式でもいいので番外編として書いてもらえると嬉しいです! (2020年4月6日 11時) (レス) id: f450a482f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はな | 作成日時:2019年7月8日 19時