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Name「好きな人に大事にされてみたかったの」

手塚「代用品じゃダメか?」

Name「本気で代用品とから思ってる?」

Nameは腕の中から手塚を見上げた。

Name「あたしも、あんたわかってると思うけど敢えていう。多分あたし、手塚が好き」

苦笑した手塚にNameは唇を尖らせた。

それから手塚の胸に顔を埋める。

Name「だって分かんないんだもん。心から好きになれるような人、今まで出会ったことないんだもん。みんなあたしの顔とか体とか」

Nameは手塚のシャツにしがみついた。

Name「あたしを大事にしてくれて、あたしが大事にしたいような人は、あたしのことなんか見つけてくれなかったっ!」

手塚「俺が見つけた」

手塚が呟いた。

手塚「意地っ張りで強がりで大事にしたいお前のこと、やっと見つけた」

うわああ、と自分でもびっくりするほどの子供のような鳴き声が漏れた。

Name「大事にして大事にして大事にして!あたしもあんたのこと大事にしたい!」

手塚の手がゆっくりNameの背中を叩く。まるで子供をあやすように。

さっきの男に勝手に弄ばれていたのとは論外の、大事にされていることを認めざるを得ないような仕草と力加減。

手塚「分かってるから。その代わり、もう前みたいなこと絶対言うなよ」

前、みたいなって、

しゃくり上げながら訊くと、手塚はNameと目の高さを合わせて少し怖い顔をした。

手塚「必要あったら誰でも寝られるとか。あのときは笠原と柴崎が怒るんじゃないかって言ったけどな」

俺だって怒りたかったよ、と手塚は叱った。
Nameは頷いてまたぼろぼろと涙をこぼした。




泣きすぎてしゃっくりがとまらなくなったNameの手を繋いで手塚はゆっくり歩き出した。
今まで意固地だった分、すごい勢いでないたなぁ。手塚はそう言って笑った。

他の奴にいったら怒るからね。

合間合間にしゃっくりを挟みながら脅すと、手塚はまた笑った。

上官でも教えてやらないよ、こんなレアでかわいいとこ。

手塚の停めたという車はすぐそこに見えていたが、このままずっと手を繋いで歩いていたいと思った。

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misteriascat(プロフ) - 完結おめでとうございます!ぜひその後の結婚生活等の日常を短編形式でもいいので番外編として書いてもらえると嬉しいです! (2020年4月6日 11時) (レス) id: f450a482f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はな | 作成日時:2019年7月8日 19時

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