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虚勢と虚像 ページ8

異音はエレベーターから鳴ったようだった。



「何があったんだ?」

マツリがエレベーターのボタンを数個押す。…が、反応が無い。フロア表示には『10』と出ているから、ここにエレベーターはあるハズなのに。



「手で開けてみますか?」

「何が出てくるか……」

珍しくミトが渋った。いつもは凄く行動力があるのに。



「キリオ達が危険な目になっているかも」


「それに……多分コレ、何かのフラグだよ」

「………そうだね」


ノゾミがミトに自身の槍を手渡す。ミトはそれを受け取ると、エレベーターに向かって刃先を向けた。何だか様になっている。


「マイちゃんは僕の後ろにいて」

「…わかった」


「開けるぞ」

マツリとノゾミが両サイドから扉をこじ開ける。
扉を開けると…そこにエレベーターのカゴは無かった。10階には来ていなかったのだ。どうやら8階で止まっているらしい。




「8階は何でしたっけ?」

「9階がRPG、8階がアクションですネ」


いつの間にか後ろにいたイエクが答える。
梯子が無いからエレベーターのロープをつたって降りるしかできないようだ。



「………俺が行くべきか」

「そう……なりますかね」




確かにマツリの左手は機械で出来た義手だからって、ヒロインに遭遇する危険を考えればかなり危ない。…でも、多分今のマツリは何を言っても聞かないだろうから、黙っておく。


「それじゃあ、行ってくる」

「マツリくん。…怖くない?」



「怖い。でも……誰かが見てくれているのなら、虚勢くらいは張れる。それに…」


マツリが、義手じゃない方の手で私の頭を撫でた。その手が小さく震えていて、何とも言えない感情に襲われる。



「待っていてくれる人もいるから」

「…っ、マツリそれ死亡フラグ…」

「…大丈夫だよ。帰ってくるから」


マツリが柔らかく笑う。
優しくて…どこか自分自身を安心させているような、そんな笑みだった。


「…気をつけてね。何かあったら、すぐ逃げて」

「ああ。…行ってくる」



マツリが頷き、ロープを左手で掴んでカゴの上へとゆっくり降りる。ロープは老朽化しているのか、いつ千切れてもおかしくないほどほつれていた。

…大丈夫かな、マツリ。









「……大丈夫ですよ、マイさん。マツリさんなら」

「うん。マツリくんなら、大丈夫」


「…そうだよね。…うん、ありがとう」


そうだよね、私が心配しててもどうにかなる事じゃないんだ。
だったら……私はマツリを信じるだけだ。

覚悟を→←2つ目の歯車



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如月慧音花(プロフ) - いつもありがとうございます!(*^_^*)もう……書いてる時もしんどくて(でも楽しい)……一応まだ続くんですよ(ボソッ (2021年2月8日 15時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
サーナ(プロフ) - 如月様、お疲れ様です!とうとうエンディングが近くなってきましたね…。どんどん切なくなっていく中、とうとう推しも消えてしまい……正直ボロ泣きしてました(泣)どんな最後になるのか、今からでも楽しみです!これからも頑張ってください!(≧∇≦)b (2021年2月7日 17時) (レス) id: b8fd1604f5 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - えっ…?(困惑)ありがとうございます私も好きです(??) (2021年2月7日 8時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)
モブサイコ100(プロフ) - アッアッアッ…………泣くって…………泣くしかないって…………ヤダ…好きです(唐突な告白) (2021年2月7日 1時) (レス) id: 6acf3cee05 (このIDを非表示/違反報告)
如月慧音花(プロフ) - ありがとうございますー!!もうホントサーナさんには感謝しか出ないです…!そうですね(笑)マイちゃん…結構苦労人ですからね、頑張ってほしいです(笑) (2021年1月5日 0時) (レス) id: e44a9745ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月すや | 作成日時:2021年1月4日 14時

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