＊Peace10ーお茶会 ページ11
「…モギハ、最近、外出が多くないか？」
え、と乾いた息が漏れた。
訝しむようにこちらを見る瞳。父から向けられた視線が、彼女の身を貫く。
――怪しまれている。
即座に判断したモギハは、頭をフル回転させて“言い訳”を考える。
「図書館に行っていた」「参考書を買いに行っていた」それから…それから？父に許される理由は、どれも勉強に関するものだ。しかしモギハは、それに値する行動はしていなかった。
親善大使の秘書として、モンスターのために働いていた。
とある少女と小さなお花と、密会をした。
…図書館で、彼と他愛ない会話をした。
(………………どう、しよう)
図書館は、人の目もある。参考書など、久しく買いに行っていない。
…嘘がバレたら？そんなの、確実にもうみんなと会えなくなる。それはきっと、嫌だ。“友達”の家に行っていたと誤魔化す？しかし、それは――。
そこまで考えて、はたと気付く。
(……なんで、嘘をつく前提なの？)
嘘をつくのは、いけないこと。悪いことだ。きっとお母さんやお父さんに嫌われてしまう。それは考え得る限り、最悪のバッドエンドだ。
…そんなこと、とうにわかっていただろうに、何故。
何故私は、それを
(…嫌われることを、無意識に良しとした？…そんな、まさか)
ありえない。そんなこと、あるはずがない。
胸がぎゅっと締め付けられるような感覚。苦しい。…これは、“悲しい”？それとも、“辛い”？……それとも。
「…実は、どの参考書が良いのか迷っちゃって。…色々な本屋を巡ってたの。
……連絡してなくて、ごめんなさい」
「………そうか。なら良さそうなものを、いくつか見繕っておこう」
咄嗟に開いた口からは、流れるように嘘が吐き出されていった。
…嗚呼、私は悪い子だ。だって今、嘘をつくのを躊躇わなかった。誤魔化せたと、ホッとした。最低、最低だ。ごめんなさい、お父さん。お母さん。…その思いすらも、言葉に成ることはなくて。
「……あまり変なことはするなよ、モギハ。
お前はただ、良い大学に行くことだけを考えていればいい。わかったな？」
「…はい」
嗚呼、ああ、苦しい。息が詰まる。辛い？寂しい？それとも、嫌悪？罪悪？わからない、わからない……わかりたく、ない。
(………あいたい)
ただ、みんなに、サンズに会いたかった。
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紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - すっごい遅いですがあけおめです、＿＿＿ああ、、、、、せっかく感情が出せるようになったモギハ＿＿＿＿＿＿ (2月7日 17時) (
レス) id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
理月(ログイン出来なくなりました)(プロフ) - あけおめです！(二月ですが…)更新ありがとうございます♪ また書く余裕ができた時にでも更新してくれると嬉しいです！ゆっくり待ってます♪ (2月5日 19時) (レス) @page23 id: 0cd7ad7d31 (このIDを非表示/違反報告)
志水 - あけましておめでとうございます！ (1月6日 23時) (レス) id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
ネコ枕 - 久しぶりに読みにきましたが、すごく面白いです..！本当に大好きだったので更新頑張ってください！待ってます！！ (12月31日 5時) (レス) id: eb7a4a6b55 (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢＠虹茶(プロフ) - 更新 ありがとうございます！ああ、、、、、G ルートの悪夢が、、、、、 (10月31日 7時) (レス) @page22 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：如月すや | 作成日時：2023年1月4日 1時
