花のち晴れseason1 (ページ39)

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story40 ページ39

晴と久しぶりに2人で歩いた。

『さっきの晴で思ったんだよね。
晴は晴で色々苦労してるんだもんね』

晴「何だよその上から目線は」

『ちょっとー！いっつも上から目線なのはどっちよ』

Aとこうやって簡単に歩くのももう数回なんだな。

晴「じゃあ、ここで」

『うん。じゃあ、またね』

お互い道が違うため違う方向へ歩いていく。
私は涙が出てきた。
振り向いてはいけないことわかってる。
でも私は振り向いてしまった。
彼の背中が遠くなっていく。
そしてつい…

『晴ーーーー！』

晴はびっくりしたのかビクっとなったが振り向いてこっちに戻ってきてくれた。

晴「びっくりしたぞ。何だよ」

『ねぇ。らしくいてね』

晴「は？」

『前にも言ったけど、完璧になろうと悩んでもがいて、必死に頑張ってる。
それが晴の良さだと思うから。だから晴らしくいてね。
幼馴染からの最後のお願い」

「A…」

『たぶん明日の新聞に結婚の話が記事になると思うの。今後の準備もあるしあまり学校へは行けなくなると思う。だからこうやって晴に会えるのも減るかもね。私ね…私…。いつも晴のためって言い聞かせてたんだ。もう疲れちゃったの。晴の妹を演じるの。ごめんね？晴には幸せになってもらいたい。
私裕太さんと幸せになるから。』

晴「A…俺お前のこと…」

怖くて私は聞けなかった
『晴、１ついい？背中向けて？』

晴「？なんだよ」

私は晴に最後甘えたかった。
泣きたかった。
抱きついてしまった。

『お願い。少しだけこうさせて？
わがままなのわかってる。でも少しでいいから』

晴は黙って私の手をぎゅっと握っていてくれた。
晴、ごめんね？
これであなたへの想いはこれでやめるから。
最後だけお願い。

俺はこんなAを初めて見た。
俺はAを苦しめていたのかもしれない
いまさら好きと言っても遅いんだ。
こんな想いをさせてすまない。

『よし！晴ごめんね！！
このこと忘れてね！じゃあまたね！』

Aが歩き出したのを見て、晴も歩き出した。

これでもう違う道へお互い進むんだ
ありがとう。晴。