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story38 ページ37

中に通されると、タマさんがお茶を入れているところだった。

晴「あの…この前はすみませんでした」

タマ「あぁ、いいさ。仲直り出来たみたいだしね」

『??晴、最近ここへ来たの?』

晴「ち、ちょっとな」

西田「お座りください」

壁には道明寺さんの写真がいくつも飾られていた。
このお部屋へ来るのは初めてかな?

タマ「どうだい、坊っちゃんには近付いたかい?」

晴「いや、全然ダメです。
あの、一つ聞いてもいいですか?」

タマ「うん?」

晴「道明寺さんは子供の頃から凄い人だったんですか?」

西田「ええ。柔道、空手、合気道…全ての全国大会で優勝されてますよ」

タマ「喧嘩だけは誰にも負けなかったからねぇ」

『やっぱ道明寺さんってすごい人なんだ。』

晴「やっぱ、俺とは元が違うんだな…」

晴「幼い頃、父親に見放されました。
失望させたんです。バイオリンコンクールを父親が見に来たあの日、失敗出来ないプレッシャーで緊張しすぎて…ステージの上で吐いちまって」


覚えてる。
その翌日、私は晴が心配で晴の部屋に行った
『はるとだいじょうぶ?あんなたくさんのひといたらきんちょうするよね。つぎがんばろ。わたしもれんしゅうしてがんばるから。』
そう言って晴の手を握ったときだった。
晴のお父さんが入ってきて

“神楽木家の跡取りとしてふさわしい人間であるか常にテストされていると思え。
Aさん、悪いが晴を甘やかさないでくれるかな?
ここは西園家ではない。
神楽木家の育て方があるんだ。
我が家は完璧な息子しか、いらない
もう次などないんだ”

そう言っていたのを今でも覚えてる。
晴と私はそのあと泣いたんだよね


晴「俺は怖くて、もう一度見直してもらおうと頑張って頑張って…けど全然ダメで。
父親に愛想尽かされたあと、俺の心を支えてくれたのが道明寺さんでした。
けど俺が道明寺さんになれるはずがなかったんだ。
英徳の品格を守れるわけが」

『晴…』

タマ「そんないいものでもないけどねぇ、坊っちゃんは」

西田「タマさん」

タマ「話しておやりよ、昔話を」

西田さんが話してくれた。

今まで私たちが知らなかった赤札の件。
赤札を貼られた生徒は学園中からのいじめの対象になり、学園を去ることになったと。

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設定タグ:花晴れ , 花のち晴れ , 神楽木晴   
作品ジャンル:恋愛
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ト音記号 - 面白かったです! season2も見ます! (2018年8月4日 9時) (レス) id: 3d84ac0722 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cana | 作成日時:2018年7月11日 21時

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