私は魔法使いであって皇太子殿下ではない【ハリーポッター×アルスラーン戦記】 (ページ3)

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「つまらない、何故ヴァフリーズは父上の遠征に同行したかったのだ？」

あれ、言葉が勝手に…！ていうかこのご老人、バフリーズというのか。

「ここ、王都エクバターナの守護が此度私に与えられた任務です。西のルシタニアのみならず、東方の国々も都を狙ってますゆえ、油断はなりませぬ」

『そんなに忙しいなら、毎日私に剣の稽古などつけなくて良いのに』

「そのような覇気のないことを仰られていては立派な王にはなれませぬぞ」

ヴァフリーズさんに促され、私達は歩き始めた。

「剣の基本が出来るだけでも立ち振る舞いはしゃんとして見えるのです。それに殿下は初陣もまだなのですから、その日に備えて剣も鍛えておきませぬと…」

『わ、分かっておる』

「分かっているのであれば、しゃんとしなされ」

というか、どこ向かっているの…？私はそう思った。

話しながら2階へ上がり、ヴァフリーズさんは歩みを止めた。

「さあ、着きましたよ。兵たちが待っておられます」

ヴァフリーズさんに言われて、私は恐る恐る歩みを進めた。そこはバルコニーだった。

バルコニーに近づき、私は下を覗いた。

『わぁ…！』

そこにはその数は数百にも及んでいるだろう。鎧を纏った兵がいた。みんな剣を抜き自分の体の目の前に構えていた。

「大義である。永遠なるパルス永遠なるパルスの忠誠を期待します。」

私は思わずビクッとし、離れたところにいる女性を見た。白色の服を着て金色の髪をし、瞳は水色。眉毛も金色だ。…綺麗な人だなぁ。この子のお母さんかな？

女性はそれだけ言って立ち去った。

『あ、あの…』

「王妃様とアルスラーン殿下に敬礼！」

ザッという音と共に敬礼をした。

『あ、は、はい…どうも…』

場の雰囲気に気圧され、その場をそそくさと退散した。

あの女性は従者の女性を連れて何処かに行ってしまった。

…王妃様って事はこの子の母親だよね。王妃様とアルスラーン殿下にって言ってたし。あんまり仲が良くないのかな？普通、息子いたら何かしら言葉交わすだろうに。

『めんどくせぇ事に巻き込まれたな。これは』

私のつぶやきは誰にも聞こえなく消えていった。