この世界に来たからには楽しんでやるさ！【ONE PIECE】 (ページ19)

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北の海(ノースブルー)、ミニオン島。

夜の闇に雪がしんしんと降り続いていた。島には人が居なく、静かだ。

その島にある2人が降り立った。1人は長身の男で、金色の短髪、ピエロのようなメイクをし、ハート柄の長袖シャツ、白のズボンを履き、黒のファーコートを羽織っていた。

もう1人は子供だった。白色の茶色斑点の帽子を被っており、黒色の服の上にコートを着ていた。だが、その肌の大半は白色に覆われていた。息が乱れており、苦しそうだ。

「コラ、さん…」

「ロー、キツイだろうがここでちょっと待ってろ…！オペオペの実を手に入れてすぐ戻る…！」

コラさんと呼ばれた男は山のてっぺんにある建物を指さしてそう言った。

「わ、かった」

ローという少年が返事したのを聞き、走り出した。

コラさん、もとい、コラソンは走り出した。

コラソンはあくまで、組織内のコードネームである。

本名は、ドンキホーテ・ロシナンテ。彼の兄は、数年後、王下七武海兼ドレスローザ国王になるドンキホーテ・ドフラミンゴである。

コラソンと少年、トラファルガー・ローの出会いは約半年前。

ローはフレバンスという街の出身だ。昔、フレバンスから「珀鉛」という鉛の1種が発見された。取った珀鉛を食器、武器、塗料などあらゆる物に姿を変え、世界と取引をし、世界政府が運輸業に参入させ、フレバンスの一大産業となった。

だが、世界政府は既にその正体を知っていた。

珀鉛は掘り起こさなければ決して人体に影響など及ぼさないのだが、取り扱えば確実に人体に毒となるものだった。

例えば、体に珀鉛をためた若者から子供が産まれると、実はその子供の寿命が縮んでいく。更にその子供が大人になり、子供を産むとその子の寿命は更に縮む。

やがて大人の体に成長せず、死ぬ世代が産まれる。

そうした寿命のズレで全世代、似た時期に発症。肌や髪が段々白くなり、全身の痛みを伴い、次々と死んでいった。