ごめんください ページ9
ピンポーン
一人で住むには広すぎる日本家屋の我が家に、呼び鈴が虚しく響き渡る。
ピンポーン
返事をする気もない私は、緑男をつつきながら訪問者が去るのを待っていた。
ピンポーン
ピンポンピンポンピンポン
ダダダダッッ
『だァァァッッうるっさい!!一体全体どこのどいつなんですか?!人が悲しみにくれてる時に、空気も読まずにチャイムを鳴らしまくるど阿呆は!!!!』
幾度となくなり続ける呼び鈴に耐えかねた私は、玄関先にいるであろう、宗教勧誘者か某テレビ局の集金野郎を威嚇するかの様な勢いで扉を開けた。
?「良かった、生きてたんですね。返事が無いのでもう手遅れだったのかと…こんにちはお嬢さん。私は正十字学園理事長のヨハン・ファウスト五世です。」
以後お見知りおきを。なんて言って言葉尻に星を飛ばす男に、思わず呆気にとられる。
まるでピエロを彷彿とさせる目の前の男_ヨハン・ファウスト五世とやらは、流れる様な動作で私の手をとった。
メフィ「とまぁ、これは表向きの名前でして。初めまして夏焼 Aさん。先日は弟がお世話になりました。私メフィスト・フェレスと申します。どうぞメフィストとでもお呼びください。」
『あの…何で理事長がこんな所に…?』
放心状態のまま何とか、絞り出す様に口にした言葉に何が面白いのか理事長は私の顔を見て爆笑し始めた。
メフィ「あぁ可笑しい!!いやはや、貴女が分からないのも無理はありません。失礼しました。私実は貴女のお母様とは古い友人でしてね。遺言にて祖母亡き後は貴女の身元引受け人…つまり保護者になるようにと、申し使っておりまして★」
メフィ「色々こちらも手続きがあったとはいえ、迎えに上がるのが遅れてしまい申し訳ない。」
そう言って右手は私の手を掴んだまま、空いている左手を腰の辺りに優しく添わせると、さながらダンスパーティーのエスコートのように、外へと連れ出される。
『ッちょ、ちょ、ちょ!!い、意味が分かりません!!何しれっと人の腰触ってるんですか?!それに、母の遺言って…祖母はこれまで私に身元引受け人が居るなんて話、ただの1度も…!』
ガッ!
彼に手を引かれるまま玄関を出て見慣れた小さな庭を抜けて、外門を出ようとしてそこでやっと我に返った私は、敷居をまたぐ既で柵に手をかけ立ち止まった。
メフィ「ですから。貴女の祖母が生きている限りは、私に出番は無かった。と、先程も申し上げたではありませんか。」
貼り付けたような笑みに指先が凍る。
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あじさい(プロフ) - いちたさん» わア゙ア゙ア゙ア゙ア゙(இдஇ`。)ありがとうございます!不定期更新ですがよろしくお願いします! (1月18日 23時) (レス) id: 8b17fee896 (このIDを非表示/違反報告)
いちた(プロフ) - 大好きです (1月2日 12時) (レス) @page8 id: 37eb9ff948 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あじさい | 作成日時:2023年6月30日 21時