阿呆 ページ9
〜無惨side〜
Aと少しだけ話をして分かった事があるが、コイツはかなり常識がズレている。
鬼になった衝撃で、記憶や性格に影響がでているのではあるのだろうが、だとしてもおかしい。
…それにさっきから何やら様子もおかしい。
無「A？」
フラフラとした足どりで、私の三歩ほど後ろを歩いていたAの名前を振り返って呼ぶ。
すると
ﾊﾞﾀﾝｯ
『…』
と音を立てて倒れたかと思うと、Aはそれきり全く動かなくなった。
無「…はぁ…鳴女。」
私はAを抱えると、部下の鬼の名前を呼ぶ。
べべん
もしかすると私は、とてつもなく面倒な事に首を突っ込んでしまったんじゃないだろうか。
＿＿＿
『何処…？ここ…』
見慣れない天井に、見慣れない部屋。
とりあえず自分が何をしてここに居るのかを思い出そうと試みるも、記憶にはモヤがかかっているようであまりよく思い出せない。
(確か、私は家出をして…それから路地裏で無惨様にあって…それから…)
『う"ッ!!』
唐突に昨日の出来事を思い出して、吐きそうになるのを堪える。
(私…人を食べたんだ…)
頭を鈍器で殴られた様な、衝撃だった。
一度思い出してしまうと、記憶という物は次から次へと頭の中に流れ込んでくる。
昨日の男の人の悲鳴が、耳にこびりついて離れない。
口の中では少し固い肉の食感や、甘いザクロのような味が渦を巻いて離れない。
手が震える。
全身から嫌な汗が吹き出して頭がおかしくなる。
今すぐここで喉を掻っ切ってしまいたい。
…死んで…しまいたい…
べべん!!
琵琶のような音が聞こえると、私の前にはいつの間にか無惨様が居た。
無「！…私がせっかく助けてやったというのに、何をしている。」
無惨様の声でハッと我に返る。
気がつけば私は、自然と錐を首に突きつけていたようだった。
『すみません…私…わた…し…』
泣きたくも無いのに、涙がポロポロ溢れてくる。
こんな姿を見られたら幻滅される。
どうにか涙を止めようとしたが、それは無惨様の姿を見た事によって更に勢いを増して行く。
無「別に私は怒っている訳ではない…三十分。三十分後には十二鬼月を集めて、お前を紹介する。それまでには、そこにある服に着替えて、その気持ちの悪い顔をどうにかしろ。分かったか？」
『わか…りました…』
無惨様が出ていった後、ほぼ涙で見えなかったが、かろうじて服の場所は分かったので着替える為に布団から出ていく。
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あじさい(プロフ) - REDさん» ありがとうございます！そう言っていたたげて嬉しいです！がんばります！ (2021年1月4日 15時) (
レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
RED(プロフ) - 初めましてです。イラスト可愛いですね。これからも頑張って下さい。 (2021年1月3日 19時) (レス) id: 81d97b802d (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます！ご期待に添えるように頑張りたいと思います！ (2020年12月29日 13時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白いですね！続きが気になります！お体に気を付けてくださいね ！ (2020年12月29日 9時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - 盃と餅さん» コメントありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします！ (2020年12月27日 15時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あじさい | 作成日時：2020年12月26日 2時
