親バカだって、良いじゃない ページ21
魘「でも、美味しかったんでしょ?」
『ぅぐっ…』
二週間も何も食べてなかったんだ。
美味しくなかったと言えば嘘になる。
魘「ふふっ。まぁ、Aが元気そうで良かった。」
元気そうで良かったって…
『…心配してたの?』
魘「してたよ?だってA俺が居ないと、直ぐに泣くし、なんにも出来なくなるからねぇ。」
魘夢の瞳はこちらを向いていたが、まるで私を通して私じゃない誰かを見ているようだった。
『っ!今と昔を比べないでよ!あの時はまだ小さかったし、泣き虫だったかもしれないけど、今は体も大きくなったし、精神年齢だって成長したんだから、魘夢ちゃんが居なくても私は…私は…?』
私今なんて言った?
昔?小さかったって
魘「…ふふっごめんね。A"ちゃん"。」
___
『えんむちゃんってなんだか、おとこのひとみたいだね。』
魘「…俺は男だよ?」
『うっそだ〜!』
魘「んふふ、本当だよ。逆にAちゃんは、たまに男らしい所があるよね。」
『A、おとこのこじゃないもん…』
魘「俺だって、女の子じゃないよ。」
『そんなにまつげながいのに?』
魘「…Aちゃんのまつ毛を全部引きちぎって、俺のまつ毛にしてあげてもいいんだけどなぁ?」
『きゃー!××!えんむちゃんがこわいこという!!たすけて〜!』
___
『魘夢…?』
気がつくとすぐ目の前に魘夢の顔がある。
魘「可哀想なA…まだ忘れたままなんだよね?でも大丈夫だよ。俺が思い出させてあげるから。」
やめて。
そんな目で私を見ないで。
私を哀れまないで。
私を無視しないで。
私を
『…置いて行かないで。』
頬を生ぬるい何かが伝って、滑り落ちる。
魘夢は、私がくるまっている布団ごと抱きしめてくれた。
それが何だか、懐かしい様な気がして、さらに涙が溢れてくる。
私何してるんだろう。
まだ会って数週間の男の人に、抱きついて泣くなんて。
頭がおかしいにも、程がある。
魘夢だってきっと、迷惑に思っているだろうに。
魘「ごめんね」(ボソッ)
___
無「魘夢貴様…私はAの安否確認と、食事だけさせて来いと言ったのに…彼奴という奴は…」
実はAに愛着湧きすぎて影から見てたし、なんなら父親みたいになってる無惨様。
鳴「部屋を移動させましょうか?」
無「いや、Aが幸せそうな顔をしているから、今はまだいい。」
まるで親バカである。
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あじさい(プロフ) - REDさん» ありがとうございます!そう言っていたたげて嬉しいです!がんばります! (2021年1月4日 15時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
RED(プロフ) - 初めましてです。イラスト可愛いですね。これからも頑張って下さい。 (2021年1月3日 19時) (レス) id: 81d97b802d (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます!ご期待に添えるように頑張りたいと思います! (2020年12月29日 13時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白いですね!続きが気になります!お体に気を付けてくださいね ! (2020年12月29日 9時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - 盃と餅さん» コメントありがとうございます!亀更新ですが、よろしくお願いします! (2020年12月27日 15時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あじさい | 作成日時:2020年12月26日 2時