夢色世界は絵空事

君ってさぁ、都合が良いよね。全く。 ページ19

するとそこには、ぼーっとこちらを見つめる魘夢の姿があった。

『魘夢?!来てたなら、早くそう言ってよ!!びっくりしたじゃん！あ、画材!!私なんかの為にありがとう〜ｯｯ！絵なんだけど、まだ少ししか描けてないし、下手くそだから期待に添えてないかも知れないけど…魘夢？』

私は久しぶりに魘夢に会えた衝撃で、一方的に話を振っていたが、何やら魘夢の様子がおかしい。

『魘夢？』

顔を真っ赤に染めて、ずっと下を向いている。

『ねぇ、魘夢ってば…』

それに心做しか、体が震えている様にも見える。

『具合でも悪いの…？』

＿＿

〜魘夢side〜

『魘夢のほうが好きに決まってるじゃん。』

え？

今なんて？

俺の事を好きって言ったのか…？

『魘夢？』

いや、でも聞き間違いかも知れ…

…それは無いな。

俺がAの言葉を聞き間違えるはずが無い。

『ねぇ、魘夢ってば…』

なら今のは告白という事なのか…？

告白という事は、俺とAは両思いという訳で…

つまりそれは…

『具合でも悪いの…？』

魘「へ？」
＿＿

椅子から立ち上がって、魘夢の肩を掴むと私は半ば強制的に彼と目を合わせる。

しばらくすると、やっとこっちの存在に気がついたのか、また一層顔を赤くして飛び去る勢いで、後ろに下がる魘夢。

魘「あ、えと、その、俺、違く、いや、違わないけど、あの///」

何かを誤解しているのか、赤くなった顔を両手で隠すようにしながら、必死で喋っている。

ただ声が小さ過ぎるのと、早口過ぎてなんと言っているのかは分からないが…

『ちょ、ちょっと落ち着いて！魘夢どうしたの？何か、今日様子がおかしいよ？』

私がそう言うと、やっと冷静さを取り戻したのか、いつも通りの顔色に戻っていく魘夢。

魘「…っだ、大丈夫。ちょっと、取り乱しただけだから…でも、A…あ、ああいう事はあんまり人に言っちゃダメだよ？俺だったからまだ良かったものの、他の男だったら…」ブツブツ

ああいう事？

私が？を浮かべていることに気づいたのか、また顔が赤くなっていく魘夢。

魘「覚えてないならいぃよ…」

本当に今日の魘夢は、どうしたのだろう。

次からは一人で食べます。→←無自覚が一番タチが悪いよね

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