再会 ページ15
?「危ない!!」
パシッ
ギリギリの所で、誰かに左腕を掴まれる。
『い"っ…!』
体重が全て左腕にかかったからだろうか。
腕の付け根が、ミシミシと音を鳴らしている。
私は何となく、下を見てゾッとした。
そこには、先程まで私が走っていたはずの廊下は無く、代わりに横ではなく縦に続く和室があった。
この人が居なければ私は今頃、潰れてぐちゃぐちゃになっていただろう。
?「大丈夫?急に出てくるからびっくりしたよ。怪我は無い?」
彼は私をそのまま引っ張り上げると、心配そうにこちらを見ている。
(確かこの人は、さっき無惨様に呼ばれていた…)
『…魘夢。』
やっとの事で彼の名前を思い出すと、無意識に言葉に出ていたのだろう。
魘夢さんがピクっと、反応する。
魘「…お、覚えてるの?」
覚える?
その言い回しに、妙に違和感を覚える。
だって普通なら、まだ名乗ってもいないのに相手が自分の名前を知っていたら、覚えてるじゃなくて、何故名前を知っているのかと聞くんじゃないのか?
それに、その言い方だとまるで、私とあなたが前に何処かで会ったことがあるみたいじゃないか。
『助けていただきありがとうございます。確か貴方は、無惨様に先程呼ばれていた方ですよね?』
魘「あ…うん…合ってるよ。俺は下弦の参の魘夢。よろしくね。」
気の所為だろうか?心做しか、先程よりも声のトーンが下がっている。
なんて考えていると、スっと魘夢さんの右手が差し出される。
(握手をしろという事か。)
私がその手に自分の手を重ねると魘夢さんは、優しく握り返してくれた。
『私はAと言います。よろしくお願いしますね。魘夢さん。』
魘「敬語じゃなくて良いよ。名前も呼び捨てで構わない。」
眉を下げて、薄く笑いながら言う魘夢。
『…分かった。よろしく魘夢。』
どうしてだろう。
貴方のその顔を見ていると、何か大切な事を忘れているような気がしてならない。
『ごめんね。』
何を忘れているのか全く思い出せなかったが、何故だか私は彼に謝ら無ければならない気がした。
魘「!Aが謝る必要は無いよ。謝らないといけないのは俺の方だ。それに
今度は忘れないようにすれば良いだけの話なんだから。」(ボソッ)
最後の方は何を言っているのか分からなかったが、謝罪の言葉が伝わって良かったと思う。
結局何故謝ったのかは、分からなかったが。
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あじさい(プロフ) - REDさん» ありがとうございます!そう言っていたたげて嬉しいです!がんばります! (2021年1月4日 15時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
RED(プロフ) - 初めましてです。イラスト可愛いですね。これからも頑張って下さい。 (2021年1月3日 19時) (レス) id: 81d97b802d (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - pookyさん» コメントありがとうございます!ご期待に添えるように頑張りたいと思います! (2020年12月29日 13時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
pooky - 面白いですね!続きが気になります!お体に気を付けてくださいね ! (2020年12月29日 9時) (レス) id: 012e567f90 (このIDを非表示/違反報告)
あじさい(プロフ) - 盃と餅さん» コメントありがとうございます!亀更新ですが、よろしくお願いします! (2020年12月27日 15時) (レス) id: 68023a472a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あじさい | 作成日時:2020年12月26日 2時