日記 ページ43
SM side
僕は日記を書くのを練習生からずっと続けている。
もちろん、内容は全部Aのこと。因みに7冊目。
1日1ページ、その日のAの言動や、Aにしてもらって嬉しかったこと。Aの大好きなところ。
全行、端から端までぎっしり書いている。
今日も僕はAの日記を書く。
4月14日
今朝はAに起こしてもらった。｢すんみな〜、起きて｣って優しく声を掛けてくれてコーヒーも入れてくれた。Aと結婚したら、毎朝こんな感じなのかな。明日も起こしてくれるように、わざと遅くまで寝ていよう。その後、歯磨きをしているAに抱きついたら、ちゃんと受け入れてくれた。Aの嫌がらず受け入れてくれるところ、大好き。今日のスケジュールは、撮影、音楽番組、ミーティングだった。控え室の前で他のアイドルにナンパされてた。あのアイドルは必ず消す。相変わらず、今日もAは可愛かった。メイクヌナから貰ったアイスティーを嬉しそうに飲むところも、僕が付けた跡を一生懸命コンシーラーで消してたところも、車の中で眠くて肩に頭を預けてきたところも、全部可愛かった。A大好き。愛してる。おやすみ。
しっかり最後まで書き終えて、日記を閉じて机の引き出しにしまい、鍵をかける。
他のメンバーもファンにも、教えられない日記。
Aの可愛いところも、天然なところも僕だけが気づいて、僕だけが知っていればいいから。
自分の独占欲の強さに笑ってしまう。
僕は、狂っているのかもしれない。
さて、今日、Aのことをナンパしていたあのアイドル、どうやって消そうか。
そう考えながら、マグカップに残ったコーヒーを啜った。
あーあ、Aに纏わりつくやつ全員消えればいいのに。
マグカップを片付けようと自室を出てキッチンへ行くとそこには、リノヒョンがいた。
他のみんなはもう寝たみたいだ。
｢ヒョン、今日Aナンパされてた｣
｢は？｣
キッと睨まれる。
｢トイレ行ったAが帰ってくるの遅かったから、見に行ったらナンパされてた。もちろん止めたけどね｣
｢誰に｣
｢××ってグループの△△って人｣
｢どこで｣
｢今日の音楽番組のテレビ局｣
｢そいつ、消すぞ｣
このヒョンも大概だな。僕と同じ思考してる。
｢明日チャニヒョンに相談してみるよ｣
｢頼む。Aに触れるやつは1人残らず消す。｣
｢同意。｣
僕だけじゃなくて、このグループみんな狂ってるのかも。
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作者名：LUNA | 作成日時：2024年2月11日 0時
