初めて ページ42
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IN side
｢翰林高校のA先輩って知ってる？｣
｢知ってる！まじ可愛いよね〜｣
｢それな、憧れだわ…｣
｢彼氏とかいるのかな？｣
｢いるでしょ〜！｣
｢絶対イケメンじゃん…あ、ソヌ先輩とか！？｣
｢あー！お似合いだよね〜！｣
今、自分が着ている黄色い制服と同じを制服を身につけた女子2人は、吊り革に捕まり電車に揺られながらそう話してた。
2人の会話に胸がチクッと痛む。
ヌナに彼氏。
僕はヌナのずっとそばにいるから、彼氏なんていないって分かってるけど、何故か不安になる。
それと同時に、女子たちの会話に少しイラッとした。
ヌナのことなんにも知らないくせに、
知ったように話すなよ。
僕はリュックの紐を握っていた両手に力を込めた。
＊
｢ただいま〜…｣
いつもはヒョンたちの靴で汚いはずの玄関にはヌナのローファーしかなくて。
もしかして2人きり、なんて淡い期待を抱いてリビングに行くと、
｢あ、｣
ソファーで気持ちよさそうに眠るヌナがいた。
忘れていたけど、ヒョンジニヒョンは学校の委員会で他のヒョンたちはスケジュールがあるって言ってたな。
それにしても、ヌナの寝顔…かわいい。
柔らかい髪を撫でると、ヌナのいい匂いがふわっと香る。
閉じられた大きな目、長いまつ毛、ぷっくりとしたピンク色の唇、白い肌、それら全てが美しくて。
｢ちゅー、したい｣
思わず口に出してしまい、勝手に1人で恥ずかしくなった。
でも、ちゅーしたくて堪らない。
今日くらい、いいよね。
いつもはヒョンたちにとられちゃうから。
今日くらい、許して欲しいな、
ゆっくりとヌナに近づいて チュ と口付けをした。
唇を離すと全身がぶわっと暑くなり、汗が滲んできた。
僕のファーストキス。
ヌナにあげるね。
僕の初めて、全部。
初めてハグするのも、初めて手を繋ぐのも、初めての○○○○も。
全部、全部、Aヌナがいいの。
こんなわがままマンネ、ヌナは受け入れてくれる？
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作者名：LUNA | 作成日時：2024年2月11日 0時
