Cafe Western (ページ9)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:15,221 hit

09 ページ9

今日はスッキリ起きることができて朝からご機嫌！
カフェではスタッフの人達がみんないい人だったし、働きやすそう。

気持ちも軽く、職場への足取りも軽かった。

昨日よりも少し早く出て、開店前の準備の手伝いができるようにしよう。昨日はバタバタしててできなかったから。
注文もスムーズにとれるようにとか、お皿の持ち方とか歩いていても頭の中が昨日の反省会。

集中しすぎて前に人がいることに気づかず

ドンッーー

『あ！すみません！前よく見てなくて』

前を歩いている人の背中にぶつかってしまった。恥ずかしい。

「ああ、大丈夫です。お姉さんこそ怪我ないですか？」

振り向いたのは、金髪が綺麗なお兄さん。
ピアスもバチバチに空いている。ものすごいチャラそうな風貌なのに、物腰はすごく柔らかだった。

『怪我なんて…本当すみません！私の不注意です』

「僕も歩くのが遅かったんかもしれんし…じゃあ、お互い様ってことで」

男の人にこんなこと言うのもあれかもしれないけど、にこっと笑った顔が可愛らしい人だ。

お互い会釈をして再び歩みを進める。

お兄さんの後に私が続く。

向かう方向が一緒なのかな？

公園を通り過ぎて角を曲がって……

行き着いた所は、私の昨日からの勤務先。

男の人はスタッフ用入り口へと消えていく。

ん？え、なんで？？

方向どころか行き先が同じだった。

私も入って大丈夫かな。まあスタッフだから大丈夫なんだけど。

「なにしてんの？」

『あ、中間さん。おはようございます』

「おん。おはよう。…入らへんの？」

『はは…入ります』

頭にハテナマークを飛ばしてる中間さんに着いて店内に入る。

でもスタッフルームには誰もいない。

「吉川さん、昨日は眠れた？疲れてない？」

『はい。今日もやる気満々です！』

「お！それは頼もしいな」

一緒にホールへ行くと、中間さんが「あ！」と声を上げた。

「吉川さん、昨日おらんかった奴もう来とるみたいやから紹介するな。……神ちゃーん」

中間さんに続いてキッチンを覗くと、見える金髪。

もしかして…

「吉川さん、こっちは桐山とキッチンを担当してくれてる神山。…神ちゃん、昨日から新しく入ってくれた吉川さん。色々教えてあげて？」

「あれ？さっきのお姉さんやん！新しい人ってお姉さんか！俺、神山智洋。キッチン担当してます」

キッチンから出てきたのは、さっきと変わらない笑顔のお兄さんでした。