授業中のできごと ページ4
私の席は窓際だから、眺めがいい。
何せ、登校してくる淳太先輩が見える。
下校する先輩が見える。
運が良ければ花壇に水をあげたりごみ箱運んだりお手伝いしてる先輩が見える。
『最高』
あ、校庭で体育の授業してる。
桐山先輩がいた。
ということは……
淳太先輩がいるってことじゃん！？
頬杖ついていた手を解いて窓に向かう。
多分桐山先輩の近くに…
『(いた！)』
レア！レアだよ！体操服姿！！
半袖半ズボンでいつもキリッとしてる先輩がちょっと頼りなく見えるところがまたいい！
サッカーかぁ。ドリブルは……してくれないよね。
だって淳太先輩だもん。
きっとうまくボールを自分のところへこないよう計算して動くんだ。
「いけー！淳太くん！」
桐山先輩の大きな声が聞こえる。
は！パ、パスが淳太先輩のところへ！
奇跡！奇跡がおきた！というか神様に私の願いが届いた！！ありがとう神様！！
スマホを握り締めながら先輩の動きを追う。
いけ！そこだ！シュート！
見事、空振る先輩の姿が私のスマホに保存された。
はあ、あとでもう1回見よ。
さて愛しの淳太先輩は…
手を膝について肩で息をしている。
そうだ。あとでドリンク差し入れしよ。
と思っていたら、私に気づいた桐山先輩が、淳太先輩の肩をトントンと叩いて、こちらを指さした。
きゃ。目が合っちゃう。
顔を上げた先輩の顔は般若のようでした。
そして般若のような顔した担任がすぐ横に立っていました。
「あいつ、はぁ、こんな時まで…はぁ、はぁ…」
「まぁまぁ。淳太くんが運動できひんのはあの子だけじゃなくて皆知ってるから」
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作者名：はなこ | 作成日時：2019年5月14日 20時
