私の先輩 ページ2
『はぁ……困る』
「何が?」
『さっちん見てよ、あれ』
友達である紗智、通称さっちんに、あれあれと指を差してアピールする。
「……いや、分からへん。どれ?」
『だから!あそこ!ほら、今校門入った!』
「ん?……なんだ中間先輩やん。それが?」
指し示す方向には姿勢よく歩いて登校してくる中間淳太先輩。
『え!?見て分からない!?』
「え、分かるの?」
『周りの人と比べてごらんよ!あんな周りは眠くて気だるそうなのに中間先輩ときたら!』
「きたら?」
『きりっとしてない?凛々しくない?あんな顔面普通に晒してたらだめだよ。もうお宝認定したらいいんじゃないかな』
「………………そう?」
『いや絶対そうだよ。あんなん直視したら神々しすぎて目が潰れるよ』
「あんたは潰れるどころか食い気味に見てる」
あぁ!今あくびした!凛々しさの中にちょっとしたギャップ!
『最っ高……』
「そんなねっとりした視線朝から浴びて……先輩、不憫」
『そんなことないもん!褒めてくれてありがとうとか言うかもじゃん』
「普段の扱いからどうやってそんな妄想に発展できるん?」
『違うもん!ちょっと先輩の態度が淡白なだけだもん』
「あんたは愛情表現が過度すぎだよ」
ー一方その頃の校門ー
「あいつ朝から何やってんねん」
「あの子淳太くんのことしか見えてへんの?一応俺もおるんやけど」
192人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなこ | 作成日時:2019年5月14日 20時