#11 過去編7 ページ14
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---side K
「最俺に戻るつもり、ない？」
「えっ」
俺の突然の提案に、Aは目を見開く
「来る時さ、皆で話してたんだよ…もしAさえ良ければ、また５人で最俺やりたいって」
「でも、私、あんないきなり失踪するみたいな感じで抜けたのに」
「だってそれは事情が事情だったじゃん 俺らには全部話した上で抜けたんだしさ」
「……本当に、いいの？」
「いいよ むしろ大歓迎。てかAだってまた復帰したいんじゃない？」
Aが今の生活に満足しているのであれば、無理に誘うつもりは一切無かった。
けれどこいつはこれから、母親も居なくなってしまったこの大きな家で
一人で暮らしていかなきゃいけないってことを考えたら
彼女を一人残して帰りたくないと思った。
他の３人と話したってのも本当だ。
Aが脱退した時、仕方が無いにしてもやはり寂しかった
こーすけも戻ってきて５人でやってくぞ！となってすぐだったから。
もう彼女がここに一人留まらなければならない理由はどこにもない
それに、彼女の歌がもう一度聞きたい。
どんな歌も楽しそうに歌う彼女の歌が本当に好きだった。
中学から仲の良かった俺たち。
多分A…もといAの一番最初のファンは間違いなく俺だろう。
彼女がいまだに歌を歌っていきたいと思っていることも知っている。
それに彼女の歌声、そして過去の人気から考えても
やろうと思えばすぐに動画投稿だけで生活していけるレベルになるだろう。
「……お母さんもね、そう言ってくれたの」
彼女の返答を待っていると、ぽつりと話しだした母親のこと
「…『あなたはあなたの好きなことをやりなさい』って、『幸せになってね』…って」
そう言いながら、彼女の瞳が潤んだと思ったら大粒の涙がぼろぼろと零れてきた。
今まで休みもなく働き続けて、好きなことを我慢して
それなのに唯一の家族の母を亡くして、葬式の準備も手続きも一人でやって…
辛くないわけがないのだ。
俺たちには弱いところを全く見せないように、していたんだろう。
それでも、今はここには俺しかいない
少しでもそれでAの気持ちが軽くなるなら、いくらだって泣いてくれ。
そう思って、彼女の頭を抱え込むように引き寄せる
「帰っておいで」
「…ぅん…っ、うん…！」
(君の居場所は、いつだって俺たちが集まるところに残してあるから)
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アリス(プロフ) - なちこさん» はい！こちらこそよろしくお願いします！(？) (2021年3月31日 2時) (
レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
なちこ(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけるの本当に嬉しいです…！これからもぜひよろしくお願いしますっ！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: b338af306c (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 面白かったです！！！応援してます！！！ (2021年3月28日 23時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なちこ | 作成日時：2021年3月13日 16時
