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#10 過去編6 ページ13

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「A、コンビニで飯買ってきたから食お」

「ありがと」

「とりあえず着替えてくれば?俺準備しとくわ」

「うん」

既に喪服からラフな格好へ着替えてコンビニから帰ってきたキヨにリビングのことを任せて自室へ入る。
学生時代から、何度もうちに遊びに来たことのあるキヨ
どこに何があるかいちいち説明しなくても勝手知ったるという感じなので安心して任せられる。


「おまたせ」

「おー」

私も部屋着へと着替えてリビングに戻り、用意されていた温められたお弁当とお茶に口をつけた

「まだ綾鷹好きなんだ」

「Aも好きだろ?」

「うん」

昔から変わっていない好みに安心しつつ、静かな食事の時間を過ごす。




* * *



食事が終わり、リビングでそれぞれ、私は役所への提出書類をまとめたりの事務作業を
キヨは持ってきたパソコンで動画の編集作業をしていた

「今日このまま泊まってっていい?」

ふと、長い沈黙をキヨが破る


「いいけど…実家帰らなくて良いの?」
家族だって、キヨが帰ってきてること知ってるんでしょ?


そう言えばパソコンの画面を見たままだったキヨがこちらをまっすぐ見て


「だって、こんな日に一人で居るの嫌でしょ?」


と、そう言った。

あたかも当然というように、押し付けがましくなく
そのキヨの自然な優しさが嬉しかった。


「ん…ありがと」

「おう」



お風呂も済ませ、寝る前に2人でソファに並びぼうっとテレビを見る。
先に沈黙を破ったのはまたもやキヨだった


「これからどうするかもう決めてんの?」

「まだ何も…ただ、仕事は減らしてもいいかなって思ってたとこ」


朝から晩まで毎日仕事をしていたのは母の入院費のためだ。
その必要ももう無くなった。


「今どのくらいやってんの?」

「新聞配達にホテル…パチ屋にガールズバーだから…4つ?」


指折り数えながら言えばキヨはおもむろにウヘェという顔をする


「身体壊すぞ…大丈夫か?」

「それが身体だけは丈夫みたいでね。今まで倒れたこととかないんだよ」

えっへん!とふざけて声に出せばキヨも笑って「アホ」と私の頭を小突く

「いや…まあ、Aがそのどれかの仕事を楽しんでやってるなら別にいいんだけどさ」
「ん?」



「最俺に戻るつもり…ない?」


「えっ」






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アリス(プロフ) - なちこさん» はい!こちらこそよろしくお願いします!(?) (2021年3月31日 2時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)
なちこ(プロフ) - アリスさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけるの本当に嬉しいです…!これからもぜひよろしくお願いしますっ! (2021年3月30日 23時) (レス) id: b338af306c (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 面白かったです!!!応援してます!!! (2021年3月28日 23時) (レス) id: 5459160ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なちこ | 作成日時:2021年3月13日 16時

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