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021-01 ページ29

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しばらく黙って、寄り添って座っていた私達だったが、いつまでもこうしていられない。彼と離れることを本気で決めたなら、考えなければいけないことは山積みだ。

私がよし、と意気込んだのがキヨくんにも伝わったのか、彼はいつもよりも大きな声で(しいて言うならちらっと見た彼の動画のようなテンションで)「作戦会議だな!」と笑ってみせてくれた。


「ーーーじゃあ、目下の目標は引っ越し…か?」
「ーーーうん、知られてるのは家と会社くらいだけど、会社には彼が乗り込んで来たとしても警備員も居るし大丈夫だと思う…」



一番安全に彼から離れる方法を考えた結果、やはり結論として出たのは引っ越しして行方をくらますことだった。

職場で待ち伏せされたらアウトだけど、幸いなことにそこそこ大きな会社で会社のすべての出入り口には警備員が常駐している。会社入り口のロビーはもちろん、各フロアにも社員証が無ければ入ることすら出来ないようになっており、予め話を通しておけば彼が会社前にやってきた時点で警備員に警察に通報してもらうようにもできる。

会社の方での不安はそこまでなかった。

問題は自宅のほうだ。

ただ引越し先を探すにしても、今の部屋を引き払うにしても、時間がかかるだろう。新しい物件を探して、今の部屋を解約して、引っ越しをする…明日からすぐに動くと考えたとしても最低で1ヶ月はかかってしまう。

引越し準備をしている間に彼が急に訪ねてきたらと考えると恐怖でしかない。


あれ…?でも確か…

「ちょ、ちょっとまって!」

慌ててカバンの中からスケジュール帳を取り出して日にちを確認する。






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設定タグ:キヨ , 実況者 , 最俺   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:なちこ | 作成日時:2021年3月2日 4時

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