【実況】私のスーパーヒーロー【ky】 (ページ21)

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一度拗れてしまった関係というのは、なかなか元に戻らないらしい。

あの一件から約2ヶ月。彼の束縛はかなり強く、そして手を上げられるのは日常的となった。

朝起きた時の連絡、昼休みや会社を出たら電話、家についたときにまた電話。
買い物などの連絡をし忘れて、帰宅時間がいつもより遅くなると怒られる。
当然会社の飲み会や、同僚との買い物なども禁止。仕事外で会えるのは現在彼氏だけだ。

生活を監視されているようで息が詰まる。

何度も別れを切り出そうとしたことがある。けれどその結果待っているのは強くなる束縛と残る痛みだけ。段々と私も、そのまま言うことを聞いていたほうが楽なのではないかと感じるようになってしまった。

「俺から離れないでね」
「俺Aのこと愛してるんだよ？」
「Aのためを思って言ってるんだからね？」
「Aには俺だけ居ればいいんだよ」

そんな(彼にとっての)愛の言葉をささやきながら、私のことをじわりじわりと絡め取っていく。付き合い始めた当初は優しく、おおらかに見えていた彼だったが、これが本来の姿だったのかもしれない。ずっと隠していただけで。

それがきっと、以前のビンタの件で顕になったのだろう。

もはや彼に対して恋愛感情は微塵も残っていなかった。
けれど、彼を目の前にすると恐怖が先走り、もう私は、ただ彼の言うことを聞き、彼を満足させるためだけの存在となっていた。

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