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---side K
「あ〜…？あいつら何飲みたいって言ったっけ…」
コンビニのドリンク棚の前、すでにカゴに入れられた綾鷹とは別に次に買うものを品定めしていた。
ていうか、なんであいつら俺1人に買い出しさせるかね？各々来る前に飲み物くらい買ってこいよ。まあジャンケン負けた俺が悪いんだけど…
なんて脳内で悪態をつきながら何でも良いやと適当にドリンクを3本取ってカゴに放り込む。
ついでに菓子も買ってこ、とお菓子コーナーに足を進めれば…
「あ…！こんにちは！」
「あ、ども」
最俺ハウスの隣の部屋に住む女性と鉢合わせした。いわゆるお隣さんというやつだ。まあ、正確にはあそこで暮らしてるわけじゃないからお隣さんでは無いのかもしれないけど。
その名前も知らないお隣さんは、ぺこりと会釈してまた別の棚の方へと歩いて行ってしまう。オフィスカジュアルのような格好をしていた。仕事帰りだろうか？
まあ、いくらお隣さんと言っても名前も知らない、マンションですれ違えば軽く挨拶する程度の仲。
けれど、初めて彼女と言葉を交わしたときにふわりと笑うその姿が何となく印象に残っていた
(いけね…早く戻らなきゃな)
別の棚の方へと消えていく彼女の後ろ姿をぼけっと見ていたが、早く戻らないとあいつらに文句言われそうだ。と、レジへと並ぶ。
夕方だということもあって、多少混み合っていたレジは数人並んでおり、自分の番が来てようやくその事実に気がついた
(あ、あれ…？俺、財布持ってない！？)
ズボンやジャケットのポケットを探るが、使い慣れた財布はどこにも見当たらない。ならば仕方ない電子マネーで払えばいいかとスマホを取り出そうとしたが…
(えっ待って俺スマホも忘れたの…！？バカすぎじゃね！？)
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作者名：なちこ | 作成日時：2021年3月2日 4時
