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「俺んち来る？」
と少しためらいながらも提案してくれた彼の顔を、思いっきり「びっくりしました！」という顔で凝視してしまった。
その表情をキヨくんは否定的な意味で捉えてしまったのか「いや、ごめん、やっぱ嫌だよな」と苦笑いをする。
「え！？違う！そうじゃなくて…！」
いいの…？そう首をかしげれば、キヨくんも真剣な顔で話をする。
「うん。俺んちそこそこ広くて、全く使ってない部屋もあるからそこ使ってもらって構わないし、部屋には鍵もかかるからもちろんプライベートも守れる。それに俺結構時間に余裕がある生活してるから仕事も車で送り迎えできるよ」
とりあえず荷物も全部運び込んで、そこでゆっくり新居探ししてもいいんじゃないかな。
そのキヨくんの提案は、まさに私には願ったり叶ったりの状況だ。けど…そんなに甘えてしまっていいのだろうか…。
「……迷惑じゃ、ない？」
私の不安をよそに、キヨくんは全然！とニカっと笑って見せてくれる。
「俺的には、全然迷惑なこと無いよ。あ〜でも、そっか…Aさんがうちに来るってなったら伝えておかないといけないことがあって…」
「伝えておかないといけないこと？」
「俺の、仕事…つか、活動？のことなんだけど」
「ああ、ゲームの実況者さんなんでしょ？」
「えっ」
「え？」
「知ってたの…？」
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作者名：なちこ | 作成日時：2021年3月2日 4時
