＊Love Sketchbook＊ (ページ5)

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予報通り7日は一日中雨だった。

雨時々くもり、なんて生ぬるい予報ではなく「雨」だけの潔い予報。

テレビのお天気お姉さんとやらが朝から何度も七夕なのに残念ですね、とにこやかに言っていた。

アイツ、どうすんのかな？

昨年の雨降りは顧問に促されるまで一緒に教室で待った。

一昨年のドン曇りの時は参加者があきらめて変える中最後まで屋上で粘った。

今年は雨だし土曜だし最初から何の約束もしてない。

でもアイツが七夕の日の予定を空けてるようにオレだってこの日はちゃんと空けてる。

もしかしたらずっと雨が止むのを待ってないよなぁ…

まさかと思いながらもアイツの家に向かってみた。

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アイツんちは大通りから1本入った坂道の上、自販機の角を曲がると見えてくる。

自販機の横から様子を伺うと2階の窓ぎわのカーテンがヒラヒラ揺れていた。

確か南側だからアイツの部屋だ。

ジーンズのポケットからスマホを取り出してメッセージを送ってみた。

『いつまでも恨めしそうな顔して外見てんじゃないよ』

カーテンのヒラヒラの隙間からアイツが顔を出してきょろきょろしてやがる。

『アイツらの行いが悪いから雨が降るんだよ』

『ニノひどい！ってか何で見えてるの？』

『お前のやる事くらい誰でも想像つくわ』

『嘘だ？どこから見てるの？』

スマホを握りしめてまたヒラヒラの間から背伸びしたりキョロキョロしたり。

ホントわかりやすくて面白い。

『あのさ、今から星見に行かない？』

『それ、イヤミ？』

単純だからなぁ、全く。

『駅で待ってるから。あんまり待たせるなよ？
オレ、すぐナンパされちゃうから』

『本気で言ってる？』

そっからはスルー。
スマホをポッケにしまって駅まで向かった。