永遠に幸あれ【梅原裕一郎】

素敵な人になるために ページ12

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『わぁ…綺麗』
「ふふ、お似合いですよ。とっても素敵です」
『ありがとうございます…』

結婚式はいいから、写真だけでも撮りたいという私のワガママを裕一郎が叶えてくれた。綺麗なウエディングドレスに釣り合ってないかもしれないけれど、今日は私が一番綺麗な女性でいられる日であってほしい。

裕一郎も着替えとセットが終わったみたいで、ドキドキの対面の時が来た。扉が開いて入ってきたのは白いタキシードに身を包んだ裕一郎。

『…かっこよすぎなんだけど』
「綺麗だな」
『どうしよう泣きそう。ずるい、そんなにかっこいいなんて聞いてない』
「言わねーよそんなこと。てか泣くな。せっかくメイクしてもらったのに」
『我慢してるもん…！』

溢れそうな涙を必死に我慢した。かっこよすぎて泣いちゃうなんて数年間付き合ってて初めてだよ。

そろそろ移動しましょうとスタッフさんに言われて来たのはチャペル。本物の式場を用意してくれた。

『本格的だね』
「取材の時にスタッフさんがここいいよって教えてくれたんだよね」
『へえ〜すごいねぇ、立派』

チャペルの大きさに感動していたら、スタッフさんが扉を開けてくれた。
中に入って撮影が始まった。

何枚も、数え切れないほど撮られた写真達。
データをそのまま貰えるのと、アルバムにしてもらったり、色々してもらって嬉しい限りだ。

長かった撮影もあっという間に終わり、普通の服に着替えてその場を後にした。

慣れないドレスや着物を着ていたから疲れちゃってソファーにダイブした。
天井を見上げて思う、式場の天井はもっと高かったと。

『本当に写真撮ったんだ…』
「そうだよ、まだ実感湧かない？」
『うん…』
「ぽやぽやすんな」
『いてっ』

結婚してもデコピンする癖は治らないらしい。

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