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母「ほらA、朝よ〜。とりあえず起きなさーい?」


『ん゙ぅ゙うーー…』






翌朝のこと。


再度、母の呼びかけで布団が剥ぎ取られて目が覚めた。
窓ガラスから溢れた日差しが注ぎ込んでくる。


因みに俺が出かけてたことはバレていたらしく
昨夜の勝手な外出と事案は、忽ち両親の知るところとなり帰ってきた途端きっちり絞られたとさ。
玄関先で待ち伏せされてた時の絶望感と言ったら。




例の求婚事件が起きてから終始、頭がおかしい息子に対し2人とも思うことがあるんだろう。
食べている間も顔を洗っている間も常に見張られているし態度がよそよそしいと言うか、なんと言うかさ。

(なんか勘ぐられてるよな、これ)




確かに記憶が戻って以来、振る舞いは依然として案の定であったが端々にでる所作が様変わりした自覚はあった。



今までわがまま放題なお坊ちゃまのお守りはさぞ大変だっただろう。

これからは知識だけは大人な子供が、明確な悪意をもって権力を振りかざしていくから是非とも安心してほしい。
目指すところは悪役令嬢あたりが関の山だろうか。






母「保育所の鞄、ここ置いとくわね。
…顔色悪いけど大丈夫そう?」


『うん、ぜんぜんへーき』






なろうで一億回は見たベタな妄想に花を枯らしつつ、園児用の服に袖を通す。



そんなこと考えるだけ時間の無駄。
今日も園児の集団にしれっと1人紛れて過ごす腹積もりだし、毎日のように幾度となく俺に落ちる同年代たちをただ見届けていくだけのこと。

既にそこらの悪女よりタチが悪い。






『さきに外みてくる』






怪奇!深夜徘徊があってから昨日の今日なのに、すでに問題行動を起こしそうな実子。


こんな奴の親なんて絶対ごめんだろうなぁとか、自身に関して気が知れない感想を抱きながら玄関口に立つ。
すると埋め込みポストから萎れた花弁が。



(いやがらせ、?)




にしては存外ロマンチックな加虐嗜好者だこと。


数秒後には扉の向こうからノックがワンツーさんし。
途中から正しい回数が分からなくなったのか、はたまたただ単に間違えたかは知らないが、なんともかわいいロマンチストさんに溜め息が溢れた。



大して気に留めず外に出たが、目と鼻の先に佇んでいたのは間抜け面でこっちを見てくる昨夜の少年。


その指には干からびた雑草が握られている。

犯人はお前か、と口に出す前に
まるで走馬灯のように、大して多くもない今世での記憶が脳内を横断していった。



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雛乃(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます。できるだけ早く続きを公開できるよう努めます! (11月5日 21時) (レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが気になります!更新を楽しみに待ってます!!! (11月5日 17時) (レス) @page17 id: b291809af8 (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - ロア……のスマホ版のようださん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (10月18日 18時) (レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - 好きです!最高です!最新楽しみにしています! (10月18日 18時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛乃 x他1人 | 作成日時:2023年10月17日 13時

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