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『ついすてっどわんだーらんど』
「？ええ」
平然とそう言ってのける目の前の母親に倣い、あまり言い馴染みのない単語を脳内で反芻した。
(それってあの？)
思い当たる節はあるが、それがそのゲームに該当するのか確証が持てない。
最近だったか、いつだったか巷で噂になってる人気ジャンルの“ツイステッドワンダーランド”
逆張りでまだ未履修だったのが今回仇になった。
内心穏やかじゃないのを隠す余裕すらこっちにはないってのにこの追い討ち。
可哀想だとは思わんのか。
たしかに。全体的な世界観といえ概念といえ、進んで共通点を探せばそれなりに出てくるが。
そのどれもが“異世界モノ”の鉄板ネタであり、大してそう珍しくないのが考えどころ。
ただ、この世界の住人自らが言うんだ。ほぼ確で間違いないんじゃないか。
(エアプ民の割には上出来、か。)
そうやって必死に考え込んだ後に、はたと気づく。
まるで珍しいもの見た、とでも言わんばかりにこちらを覗き込む母の視線に。
『ぁー……、母さん。今日はもうねる』
母「そう？じゃあもう戻るね」
夜も更けてきたことなので、名目上寝るという理由を元に大変心苦しいが母を部屋から追い出す。
当たり前のことだが、前世の記憶があります〜なんて言ったら指さされて笑われるか精神科に連れていかれるかの2択でしかない。
一先ずは勘づかれないようにしないと
腑抜けた声をあげ、近くにあった椅子に座る。
さっきまで最低限の冷静を装って対応していた俺でも、その実本当は背中にダラダラと冷汗が伝っていた。
着てるパジャマが背筋だけ肌にくっついて気持ち悪い。
普通の生活じゃ中々味わえないスリリングな体験に心を踊らせる暇もなく、引き出しからノートを取り出し机に向き直る。
たいへん不本意だが
どうやら今の俺には、この世界を生きていく上での認識のすり合わせ︎︎ ︎が必要らしい。
．
数十分後、そこには不機嫌な顔して机に突っ伏している俺がいた。
TLで俺が知り得るツイステに関する知識を片っ端からルーズリーフに書き留めてみたはいいが、圧倒的に情報量が足りてなさすぎる。
まだ埋まりそうにない残り数十ページの空白に
なんとなく落胆した。
不意に意識を外へと向ければ、何やら窓の向こうがやけに騒がしい。
幸いにも両親は就寝中。
気がついた頃には
俺の足はとっくに窓の外へと向かっていた。
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雛乃(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます。できるだけ早く続きを公開できるよう努めます！ (11月5日 21時) (
レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが気になります！更新を楽しみに待ってます!!! (11月5日 17時) (レス) @page17 id: b291809af8 (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - ロア……のスマホ版のようださん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (10月18日 18時) (レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - 好きです！最高です！最新楽しみにしています！ (10月18日 18時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛乃 x他1人 | 作成日時：2023年10月17日 13時
