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同日、ちょうど夕陽が西に傾いた頃。
俺の体調はすっかり回復し、母親とともに何事もなく家路に着いていた。
親はいつまでも俺の身を案じていたが、一方俺はというとほぼ放心状態。
何をするにしたって常にどこか上の空。
花や蝶やと可愛がって大事にしてきた息子がそんな様子だから、両親もあたふたとどこか忙しない。
それもそのはず。
前世の記憶から思考回路を異世界転生と結びつけたまでは良かったものの、一体全体ここがどんな世界なのかまだ分かっていないのだ。こんなの不安でしかない。
一応、昔から違和感はあった。
まずは、幼児にしては口達者が過ぎる自分に対して。
クソガキなお年頃といってもあまりに語彙が強すぎる。
続いて
身近な人には大概獣の耳が生えていることも、魔法という概念が存在していることも。
ただ、そのモヤモヤを晴らす術もなかったのでなんとなく受け入れていた。
たったそれだけのことが、こんな事態をもたらすとは誰が考えつくのやら。
自室にこもってあーでもないと知恵を絞っている中、ドアの向こうから母からの呼びかけが。
母「水、飲めるかしら？」
『っねぇ母さん、ここの地名って何？！』
母「なにって“夕焼けの草原”、だけど。
いったいどうしたの？」
自分で聞いておいてなんだけど、はてさて全く聞き覚えがない言葉に戸惑いつつ母からコップを受け取る。
5歳の頭じゃ処理できそうにない情報量に、今は項垂れるしかないみたいだ。
互いに首を傾げていると、ふと部屋の隅にあった姿見に目が着いた。
母子共に完璧すぎる容姿。
幼子特有のあどけなさが残る俺とは違い、母には既に完成された美貌がそこにあった。
父もよくこんなマドンナを射止めたものだ。
美形キャラ揃い踏みの2次元といえども、流石にこんな天使そうそうにいるわけじゃない。そんなにいていいはずがあるか。
少なくとも少年誌系列じゃないと信じたい。
(…すぐ死ぬしな。)
ただ、この透き通った白金のような髪は当時の自ジャンルで見かけたことはなかったし
成り代わりではないことを願うばかり。
『はぁ』
何気なくため息をついて、母にコップを返却する。
母「そう言えばどうする？
家族旅行、体調治るまで延期にしよっか。」
そして去り際に一言。
とんでもねぇ爆弾が落ちてきた。
母「ツイステッドワンダーランド随一の秘境、
って言ったっていつでも見れるしね」
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雛乃(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます。できるだけ早く続きを公開できるよう努めます！ (11月5日 21時) (
レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが気になります！更新を楽しみに待ってます!!! (11月5日 17時) (レス) @page17 id: b291809af8 (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - ロア……のスマホ版のようださん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (10月18日 18時) (レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - 好きです！最高です！最新楽しみにしています！ (10月18日 18時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛乃 x他1人 | 作成日時：2023年10月17日 13時
