1：模範生 ページ16
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『…8時半。終わった』
出だしから絶望的な状況で失礼するが、遅刻した。
現在完了形だ。
走れば間に合うとかいう希望はミクロたりとも存在してくれないらしいから開き直って、俺は手始めに映画のサブスクに入会する。
スマホを開くとラギーからの連絡が5件。
信じていた悪友の抜け駆け宣言に、起きたばかりの脳ミソが覚醒した。
なんでかは知らないが、夜通し船を漕ぎかけては結局一夜を共にした(語弊)はずのアイツだけが元気に登校していったなんておかしな話だ。
さてもまったく、狡い奴だとは思わないか。
だがたしかにたった数時間で間髪入れずに問題行動を起こした場合、先パイたちの言う
気に食わないやり口だがラギー様様ではある。
とまあ一先ずあの野郎のことは放っておいて、なんとなく頭にきたので俺も授業の支度を始めるとしよう。
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その後。
当然だがHRには間に合わず、始業前ギリギリアウトで魔法薬学の科目に滑り込んでみたはいいが。
俺が来るまであぶれていたペアの子が、顔を合わせたのは今日が初なのに関わらず髪も顔も真っ赤にして強い嫌悪感を示してきた。
身に覚えがないその怒られように、寧ろいっそ爽快なまでに笑いが込み上げてきそうで必死に抑え込む。
今回の人生で現在に至るまでまともに叱られた経験もなかったので面食らってたのも理由のひとつだが、人類における顔色の限界を垣間見れたようでつい。
折り悪しく、それがまた彼のユーモラスを引き立てていた。
？「聞いているのかいA・ベネット！
君の頭の中には誠実という概念が抜けているようだね」
『っくは、ぅ…ｳﾝ。そーですね』
？「何がそんなにおもしろいんだい？
あと素直に認めるもんじゃないよ」
『ご、ごめんね？？』
授業が終わり、魔法薬学室を出て以降も戒めが解かれないまま次の講義へ準備を進める。
ワンちゃん先生に怒られないため来たのにこれじゃどっちみち変わらないんじゃ、と悟った時にはもう赤髪くんは居なくなっていた。
名前を聞きそびれていたのを素直に悔やみつつ、作中の登場キャラなんじゃなんて考えが胸三寸を通り越してく。
今度は是非とも通常時の表情を見てみたいものだな。
彼が俺に今後一切ブチギレることない未来を切に願いながら、教室の扉を閉めた。
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雛乃(プロフ) - ゼロさん» コメントありがとうございます。できるだけ早く続きを公開できるよう努めます！ (11月5日 21時) (
レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ - 続きが気になります！更新を楽しみに待ってます!!! (11月5日 17時) (レス) @page17 id: b291809af8 (このIDを非表示/違反報告)
雛乃(プロフ) - ロア……のスマホ版のようださん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (10月18日 18時) (レス) id: e4701a63e5 (このIDを非表示/違反報告)
ロア……のスマホ版のようだ - 好きです！最高です！最新楽しみにしています！ (10月18日 18時) (レス) @page4 id: 4dffd0e6b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛乃 x他1人 | 作成日時：2023年10月17日 13時
