君との関係【江口拓也】

17 5年(江口さんside) ページ17

「えぐぅは何でそんな不機嫌顔なの」

「良平さん…」

先輩である良平さんに飲みに
誘われ、行きます！なんて言って
来たものの気持ちが晴れることはなかった。
昼間の光景が頭の中でグルグル渦巻いている。

『いいよ。何かあったら
いつでも相談してね』

そう言った彼女の顔はあまりにも
無防備で。そこにイライラして、大人気ない
態度をとってしまった。その事を
良平さんに告げると

「あー相島か。お前まだ好きなの？」

「まだってなんですか…まだって。
好きですよ」

嫌いになる訳無いじゃないっすか、と
告げれば未練がましいな、と辛辣な
一言を浴びせられる。
もう5年近く片想いをしている、
そろそろ無謀だと思っていてもこの関係を
切れる訳も無かった。

「他にもいるだろ」

お前結構モテるかもよ、なんて
言われても首をすんなり縦に振れるほど
この片想いは可愛いものじゃない。
明らかに嫌われている、訳では無い。
寧ろ俺のこと好きだよな？なんて
問いかけたくなる。

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