じゅうよん。 ページ14
カランコロン───
裕翔｢はーいAちゃん、いらっしゃい｣
A｢あの、今日はピーチティーもお願いできますか｣
裕翔｢お？珍しいね？？｣
A｢さっき友達が飲んでて美味しそうだったので｣
それと普通に喉が渇いてたっていうだけ
裕翔｢おっけ！作ってくるね｣
そう言うと
キッチンの方へ歩いていった中島さん
私もいつもの席に座る
辺りを見渡すと今日はお客さんがいない
今は伊野尾さんもいないから
お客さんは私だけだ
この空間できこえるのは
鳥のさえずりと
氷の入ったグラスに
ピーチティーを注ぐ音
たまにはこういう風に
静かなのもいいななんて
裕翔｢はい、お待たせっ｣
いつものミルクレープと
今日はアイスピーチティー
ピーチと紅茶の香りが鼻を抜ける
それも相まって
ミルクレープがより一層美味しく感じた
カランコロン───
慧｢やっほぉー｣
A｢あ、伊野尾さん｣
あれー、飲み物なんて珍しいねぇー
なんて言いながら私の隣に座る伊野尾さん
慧｢あ、そだ、Aちゃんにお話が｣
とカウンターの椅子をくるっと私に向けて座るから
私も思わずくるっとして向かい合う
A｢はい…なんですか？｣
慧｢あのさ、
……デートしよ？｣
静まり返った空気の中で
カランとグラスの氷がなった
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作者名：salt | 作成日時：2020年8月13日 17時
