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「嵐山さん…、ど、どうしたの…?」
戸惑いながらも立ち上がる
「「どうしたの」…、か」私が言ったことを反復すした
胸がざわざわして、手を軽く握り胸元へ置いた
「なんで俺じゃないんだ?」
「…え?なんの、こと──ぃっ」
両肩が掴まれた
肩からはギリッとかなりの力がかかっている音
なに、っなんで、
「なんで俺を頼ってくれないんだ
俺のことがそんなに信用できないか?
俺のことがそんなに嫌いなのか?
振り向いてもらえるように必死に頑張ってるのに?」
「ぁ、あらしやまさん」
「迅のことは信用してるんだな
出会ってからの年数が少ないからか?
でも会えてない期間は一緒だよな」
いつもの嵐山さんに戻ってと手に触れる
「なあツバサ」どうやら嵐山さんには私の声など届いていないらしい
どうしよ
すると急に押し黙る
いや、私の耳が拾えてないだけでなにか言っている
すっ飛ばす?…なわけないよね
「──ずっとすきなのに」
「ぁ…」
ようやく聞き取れた言葉は私への愛だった
そして嵐山さんは泣いていた
怖いわけでもないのに奥歯が震えて鳴った
聞きたくなかった
気づいていたから
初めて会ったとき顔を赤らめて私を見る姿にもしかしてと思った
彼が言ったように、振り向いてもらえるよう会う度に手伝うことはと努力しているのにもわかっていた
嵐山さんの綺麗な気持ちを利用している
私もそのつもりでお願いしていたし、困っていて純粋な蘭ツバサを演じていた
けれどそんなクズの分類になりたくて
だから心の奥の奥のほうに隠してあったのに
ずっとすきなのに
その気持ちを言葉にされたら、隠していたものがあらわになって私がやってきたことを認めざるを得ない
私が嵐山さんを壊したのだ
「嵐山さん…あのね、」
なんとかして落ち着かせようとして、背中に腕を回そうとする
ちゃんと説明しないと。大丈夫だよって
「…ッ、」
あと少しで、伸ばした手同士がくっつくところだったのに
私はぶらり と手を下げた
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ツバサ(プロフ) - しのさん» コメントありがとうございます!!蘭が褒めて貰えるとは…🥲しかも読みやすいだなんて…!あまり自信がなかったのでそう言っていただけて良かったです!!頑張って書かせていただきますね!!!😊 (2023年4月5日 19時) (レス) @page20 id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
しの - とても読みやすくて好きです!夢主ちゃんの健気さも明るさも好きすぎます...更新ゆっくり待ってます! (2023年3月29日 12時) (レス) id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - shionさん» コメントありがとうございます!!!😭😭そんなことを言って貰えるとは思っておりませんでした!!頑張って書きます! (2023年3月25日 17時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
shion - コメント失礼します!主さんの小説すごく好きです!いつも高評価が1回しか押せずすごく悔しい…のんびり更新待ってます! (2023年3月25日 15時) (レス) @page14 id: 59a8bd0fed (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 雪見大福さん» コメントありがとうございます!!前回の更新からモチベが無かったんです!励みになります🙏これからもゆっくりな更新になりますが、コツコツ頑張ってゆきます!!! (2023年3月19日 19時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツバサ | 作成日時:2023年2月14日 22時