101. CM ページ1
制服のブラウスの胸ポケットから鏡と口紅を取り出す
急いで階段を上がったことによって乱れた髪と息を整えて、甘いローズ色の口紅を鏡を見ながら唇に丁寧に塗りこんだ
この口紅はいつも愛用しているブランドの新作で、売り場のポップに「恋を応援」なんて書いてあったからこの日のために買ったのだ
上手くいきますようにと口紅を両手で握りしめ願う
「…よし、」
屋上に繋がる扉を開けると、音で気づいた彼が振り向いた
夕日が彼の顔を照らしていて、思わずドキリと胸が鳴った
「ご、ごめんね嵐山くん…!わたしが呼んだのに遅れちゃって…」
「いや俺もさっき来たところだから」
「大丈夫」と絵になる笑顔を私に向ける
「今日、嵐山くんを呼んだのは、え、っと…実は、」
あとは「好き」という二文字を言うだけなのに、恥ずかしさてつい俯き黙ってしまう
恋を応援してくれる、ということ口紅は本番には効いてくれないのだろうか
「俺も話したいことがあって…いいか?」
「、あ…うん、もちろん!」
「あー、」とまるでさっきの私みたいに彼はどもった
嵐山くんが私に言いたいこと?
なんだろうか、なにかしただろうか
と暗い方に考えていたら嵐山くんが口を開いた
「──…好きなんだ。俺でよければ付き合ってくれないか」
風が私たちの間を通った
嵐山くんの髪が揺れて顔が少し隠れる
髪の隙間から見える彼の頬は夕日のせいかわからないが、赤い、気がする
「………え、?好き…?」
「一目惚れ、なんだ」
「ぁ、嵐山くんが私のことをすき…?」
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ツバサ(プロフ) - しのさん» コメントありがとうございます!!蘭が褒めて貰えるとは…🥲しかも読みやすいだなんて…!あまり自信がなかったのでそう言っていただけて良かったです!!頑張って書かせていただきますね!!!😊 (2023年4月5日 19時) (レス) @page20 id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
しの - とても読みやすくて好きです!夢主ちゃんの健気さも明るさも好きすぎます...更新ゆっくり待ってます! (2023年3月29日 12時) (レス) id: 47a7886cb6 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - shionさん» コメントありがとうございます!!!😭😭そんなことを言って貰えるとは思っておりませんでした!!頑張って書きます! (2023年3月25日 17時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
shion - コメント失礼します!主さんの小説すごく好きです!いつも高評価が1回しか押せずすごく悔しい…のんびり更新待ってます! (2023年3月25日 15時) (レス) @page14 id: 59a8bd0fed (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 雪見大福さん» コメントありがとうございます!!前回の更新からモチベが無かったんです!励みになります🙏これからもゆっくりな更新になりますが、コツコツ頑張ってゆきます!!! (2023年3月19日 19時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツバサ | 作成日時:2023年2月14日 22時