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復讐の刃が四十九振り ページ4

「そして、最後にもう一つ、言うべきことがあります」


麻理が口を開く。

「貴方の愛刀であった、にっかり青江についてのことです」



“乱藤四郎”が帰ってきたとなると、作戦は一気に変更することを余儀なくされた。

とにかく、応急措置として、Aの魂を残した状況で“乱藤四郎”を破壊することにした。

勿論、多少のリスクがあり、ここは幽霊を斬ったにっかり青江が適任と言うことになった。

青江は出来るだけリスクの低い、少しずつ“乱藤四郎”の力を弱め、斬っていく方法をとった。

彼は極力Aを傷つけないよう、少しずつ相手を斬っていた。

しかし、“乱藤四郎”は強大な神力を持っており、

彼を斬る毎に、にっかり青江の刀身にも少しずつ皹が入った。

そして、不動行光捜索の際、“乱藤四郎”の力をほとんど撲滅状態に追い込むと同時に、

自身も重傷となり、敵の一撃で破壊されてしまったのだ。



「にっかり青江の本体に細かく入っていた皹の正体は、これでした」

「じゃあ、にっかりは私の為に…」

「数珠丸もです。

あの人は、にっかり青江が“乱藤四郎”をほぼ死滅状態に追い込んだ後、

“乱”の目を盗み、あなたに真実を伝えようとしていた」

炙り出しのことを思い出した。

あれは、私のミスで…

完全に私のせいだ。

そもそも、私が“乱藤四郎”を斥候だと気づかずに放置していたせいだ。

そっか。

「あれも、これも、全て私のせいだ。

にっかりが死んだのも、皆が苦しんだのも、今のこの状況も、全部私のせい」

「そう言う訳じゃ…」

麻理が狼狽える。

「だってそうでしょ!?

ああ、あの時気づいていれば良かった。乱を刀解していれば…

ごめん、皆。昔に戻ってやり直したい。


そっか、やり直せるじゃん」

段々と正気を失っていくのが、自分でも分かった。

「やめてください!」

麻理の叫びも、耳元を通り過ぎて消えていく。

歴史なんて変えた方が良い。より良い現在、そして未来の為に。

「過去なんていくらでも変えてしまえば良い」

時空移動の為の装置のもとへ、足を動かそうとしたその時だった。


勢いよく襖が開き、全身を真っ赤に染め、傷だらけの少年が入ってきた。

「無事で何よりだよ、A。でも、その前に…

俺が一生懸命戦ってたのに、闇堕ちは少々酷すぎねえか?」

復讐の……?→←復讐の刃が四十八振り



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れぃ(わー抹茶)(プロフ) - すーくろの恋愛モノ初めて見た希ガス(なわけない) (2018年4月1日 10時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
れぃ(わー抹茶)(プロフ) - すー黒蜜さん» りょーかい。めんどうだった← (2018年3月20日 16時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
すー黒蜜(プロフ) - そういうのはLINEかでよろメール (2018年3月20日 16時) (レス) id: 4498fe7828 (このIDを非表示/違反報告)
れぃ(わー抹茶)(プロフ) - あれどーする? (2018年3月20日 16時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)
れぃ(わー抹茶)(プロフ) - すー黒蜜さん» もー!!! (2018年2月24日 20時) (レス) id: 657b3d0cf7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すー黒蜜 | 作成日時:2018年2月12日 18時

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