8歳なんて。【Yuri.C】

Story.11 ページ11

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『で、きました…！』





数十分後、初めてながらなんとか一人で仕上げて、完成した姿を鏡越しに見てみる。

どうかな、やり直しって言われちゃうかな、





なんとなく不安でおずおずと目を合わせると





侑｢ふふ、うん。上出来じゃないですか？｣





嬉しそうに、にこにこ微笑んでくれていた。





『ほ、ほんと？！…ですか、？』


侑｢ほんとほんと。撮影がんばれそう！｣


『よかったぁ…』





そうだ。





私、こうやって喜んでくれる顔が見たかったから

ヘアメイクさんになりたいって思ったんだ。





ゆうりくんの、この笑顔が見たくて。





『ゆ、知念さん、』


侑｢ん？｣


『私の、初めて一人で担当した人が、知念さんでよかったです。』





まだまだ実力は足りないけど、





いつか、ゆうりくんのヘアメイクを

自信を持って出来るように。





侑｢…満足にできた？｣


『え、？』


侑｢今日、初めてだったんでしょ？｣


『は、い…』





周りに見えないように、私の服の裾をきゅ、と引っ張って





侑｢次会う時が楽しみだな、｣


『っ…！はい！』





胸を張って、ゆうりくんの担当を出来るように





大きくなりたいって

思ったんだ。








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