頑張り屋さんに恋をした (ページ9)

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韓国での生活が始まって

タクシーで色んな映えスポットを通り過ぎると

目に入るのは友達やカップルで写真を撮る人たちの姿

こんなにグサッと刺さるものだったっけ？

『はぁ、、』

スマホを開いて流れる風景を写真に収める

前なら、、

めっちゃ映えなとこでしょ？！みんなで来たい！

なんて送ってたなぁ

誰かに送っちゃおうかな

いや、でも自分から退会したクセに結局同じかよって
思われたくないけん、、

我慢、我慢だ

家に着いて沢山の荷物を少しずつ出していく

独りの時間が怖かったけど

荷解き作業も同じ職場の日本人の先輩も手伝いに来てくれた

だから最初の1ケ月は沢山気が紛れる事が多くて良かったけど

問題はそれを過ぎてから

色んなカバンに詰められた荷物たちも家らしく配置されて

職場での仕事も始まっている

ただ

前もそうだったんやけど

一人暮らしになれてるはずなのに

いつも感じたことがないくらい寂しい

テキトーに選んで付けっぱなしのNetflixやアニメ

どんどん増える独り言

あー、もう！

ご飯作ってる時くらいしか気が紛れない！

前はこれに耐え切れなくて電話してたけど

もう切り替えるって決めたけん

せんよ？僕は。

僕からは、、ね？

今日は水曜日

ご飯もお風呂も済ませて今は23:00

そろそろやね

と思っているとスマホが鳴りだす

分かっていたかのように手に取ると画面に出てくるのは瑠姫のアイコン

そう、彼はいつも水曜日の23:00頃に電話をかけてくる

「もしもーし、蓮くん？」

『お疲れ様、どうしたと？』

かけてくるのを分かっていながら毎回こんな事を聞く

それに対して決まって瑠姫は

「今日も語らせてもらいます」

と、好きな事を沢山話してくれる

始まる時間帯がそもそも遅いけん、毎回先に僕が寝ちゃうけど

今日も結局

「蓮くん、聞いてます？？」

『んー？聞いてる、聞いてまーす』

「絶対寝てますよね(笑)」

そんな事ないよ〜、なんて言いながら半目状態

「、、ねぇ蓮くん。やっぱりさ、グループ戻ってきません？」

『んーん。それはなし。』

「今俺と電話してるのと、グループにいるのと、そんなに変わらないと思うんですけど？」

『変わるんよぉ、ぜんっぜん変わる、だって、、』

「え？？何があるって？蓮くん？おーい」

瑠姫の声が遠くなっていく

もう深夜2時やけん、許して？