頑張り屋さんに恋をした (ページ17)

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今日もいつも通りスタジオに行って

昨夜送られてきた動画通りに振り入れレッスンを行った

仕事を切り上げて帰れるんだけど

僕は今

事務所内を走り回っている

『マジで、、どこいったと？！』

色んな人とすれ違えば

何かありましたか？と聞かれる

『女の子、見ませんでしたか？！』

韓国語で答えても、みんなポカーンとしてた

それもそうだろう

沢山の女の子が所属して、出入りしてるんだから

名前を言わないと伝わらない

でも

名前がわからない！！

なんで汗だくになって走り回っているかと言うと

それはレッスンが終わった直後のこと

無事にレッスンを終えた僕はホッとして

疲れたし、甘いものが食べたくなって食堂に向かった

ヘルシー料理ばかりかと思ったら

意外にもガッツリメニューが多いし

フレンチトーストもチョコケーキもあった

なんでだろう

頼んだフレンチトーストを食べながら入ってくる人を見ると

レッスンを受けてた女の子達は誰一人入ってこなくて

事務さんとか、先生、マネージャーらしき人ばかり

練習してる子たちは入れないんだ、、酷だなぁ

こんな美味しいものが並ぶ食堂の前を素通りしなきゃいけないなんて

あの女の子が隠れてまで食べてた姿が鮮明に思い出されて胸が苦しくなる

もう、出ていっちゃったのかな、、あの子

ボーっと廊下を行き交う人々を眺めていると

『あ！？』

食堂に響いた僕の声

あの子だ、、絶対

レッスンしに来てたんだ、よかったぁ

でも見るからに顔色が悪い

あの子の後ろを追いかけて

『君！ちょっと待って』

骨張った肩に手が届く

『この前あったよね？覚えてる？』

虚だった彼女の目が見開いて

僕の手を振り払い走っていってしまった

『あっ、待って！』

追いかけようとしたけど

さっきレッスンしてた女の子達に待ち伏せされてて

囲まれた完全に見失ってしまった

『ま、また明日、明日ね！ごめん！ちょっと』

女の子の輪をくぐり抜けて

あの子が行ったと思われる方に曲がる

結局、必死に走り回ってるけど追いつけてない

そんな俊敏なの？女の子だし、それにあんな細いのに

みんなが荷物を持って帰る中

今日は諦めて明日また探せばいいのに

極度の負けず嫌いな僕は探し続けていた

シーン...と静まった廊下で

ガシャーン！と大きな音がした