強がりさんは恋に臆病 (ページ29)

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29☆ren ページ29

「何言ってるんですか」

『先に絡んできたのはそっちでしょ？』

「あ、あれは、、その」

あの時は本当にビックリした

駅に集合した時から、この人の視線が鋭くて

初対面だったし、人見知りされてるのかなって思ってたけど

話しかけても素っ気ない態度取られるし

目は合わせてくれないし

なんか失礼なことしちゃったかなって

気になって気になって

『八乙女さん、なんかあったと？』

「は？！」

は？！とは、、

そんなに嫌われてるの

なんかした？僕

そう感じながらも

自分に冷たい人にもお節介な言葉とか行動ばかりしちゃって

そんなだから僕はいつも

結果的に応援する側になるんだ

なんて考えてたら

彼女が抱きついてきて

『わっ！？な、なんしよーと！！？』

え、いや待って

どういう状況？！僕のこと嫌いなんじゃ？？

『や、八乙女さん？！ど、どうした急に！ホントに体調悪い？ねぇ！』

どうすればいいんだ、、と困ってたら

ハッと気づいてくれて

『離してもらっても、、いいかな？』

「ごめんなさい、、！」

よし、これで大丈夫。誰にも見られてない

事故だったと言うことにして、、

「え、、？！」

離れようとした時、もう聞き慣れた大好きな声がして

嘘だろ、、、？！

『い、従姉妹ちゃん！？ち、違うんよこれは！』

軽い奴だと思われた？！

初対面の女の子に抱きついた変態とか思われたら

終わった、、完全に

それから席に戻って何事もなかったように振る舞ったけど

従姉妹ちゃんの顔見たら凄い気まずそうな顔してて

必死にこの空気から逃れようとして

結果的に酒に呑まれた僕なのです。

ぽけーっとしながらも色々考えてたんよ

誤解を解くにはどうしたらいいんだろう

奨くんは一対一で話をさせてくれるかな

従姉妹ちゃんに幻滅されないかな

応援してるうちに好きになっちゃって

自分で引き合わせたくせに、ちょっと後悔したあの日

本当は韓国の仕事も僕以外の案件だったのに

余計なこと考えたくなくて、あえて立候補した

まぁそれはそれで寂しくて、電話する毎日だったんだけどね

別に多くは望まないから

従姉妹ちゃんの前では良い人の僕でありたい

だったらもう、付き合いましたって言った方が楽なんじゃないか

って、完全に迷走してる僕

相手の気持ちも考えずにこんなこと言うなんて

誰か僕を止めてください